ポジションを処分する際、利食いも損切りも一括でしていませんか?分割売買を取り入れたら損切り額を小さくして安定した利益が作れるようになるので、トレード収支が驚くほど改善します。いわゆる損小利大ができるようになります。
分割売買は株だけではなくFXや先物、CFDでも使えます。
Contents
分割売買とは
分割売買とはその名の通り、利食いまたは損切りする時にまとめて売却するのではなく、分割で売買することです。そのため、分割売買をする場合は少なくても200株以上のポジションを作る必要があります。
利食いはいつも悔しいもの
利食いが完璧に上手くいった経験はこれまでに何度ありますか?
例えば1,000円で購入した銘柄を1,100円で利食いできれば大きな利益ですよね。でも、その後株価が急騰して2,000円になったら、利食いできているのに大失敗した…と多くの人は思います。
他にも1,000円で購入した銘柄を1,100円まで上昇したけど利食いせず、さらに利益を伸ばそうと考えます。しかしその後、株価は900円まで下落し損切りになったとすれば、なんで1,100円で利食いしなかったのか…と悔しい気持ちになります。
このように、損切りした時はもちろん利食いできた時も、100点満点が取れなければ基本利食いはストレスが溜まります。こういうのが続くと精神的によくないですし、トレードにも響いて冷静なトレードができなくなってしまいます。
コンスタントに80点を狙う
分割売買は100点を狙わず、コンスタントに80点を狙うトレードを目指します。頭と尻尾はくれてやれという相場格言がありますが、正にそんな感じのトレードです。
分割売買を習得すると早すぎた利食いがなくなりますし、利食いが遅くて結局損切りになることもなくなります。毎回80点を取りにいく割り切ったトレードができるので、精神的にも安定した状態でトレードと向き合えます。
分割売買の習得は難しくなく、機械的にもできるので誰でも明日から実践できます。詳しいやり方は具体例を交えて後程紹介します。
分割売買のメリット
分割売買のメリットは既にいくつか伝えていますが、他にもあります。
戦略の幅が広がる
戦略の幅がとにかく広がります。これまでは株を買った後に利食いか損切りかの2択でした。しかし分割売買を覚えると、例えば株を買った後に株価が値上がった場合、購入株数の1/3だけ利食いをして2/3のポジを様子見するという選択ができます。
株価が下がれば残った2/3を同根撤退しても、トータルでは利益を残せています。逆に株価がさらに上がれば2/3の半分を利食いして、残った1/3だけはトレイリングストップを使って最大利益を狙うこともできます。
このように株価の動きによってさまざまな戦略が練られるので、利益を安定化させて損失額を小さくする、いわゆる損小利大が可能となります。
トレイリングストップとは、逆指値注文の価格を株価によって変動させていく注文方法です。例えば株価が10円上がるごとに逆指値注文の価格も10円上げていき、ほぼ最高値での利食いを狙う注文方法です。
精神的に安定する
常に80点を狙いにいくと割り切っているので精神的に安定するのも大きいです。一発どでかいのを当てて億を目指す人には関係ないですが、専業を目指す人にとって精神面は非常に大切です。
毎回100点満点を狙いにいくトレードは上手くいかないことも多いですし、上手くいったとしても疲労感が凄いです。分割売買であれば株を購入後はある程度機械的にトレードができるので、メンタルを削られることはあまりありません。
精神面を安易に考えている人も多いですが非常に大切なことです。特に専業であれば毎日相場と向き合う必要があります。上手くいっている時はいいですが、上手くいかない時はどうしても無茶なトレード、一発逆転を狙いたくなります。
無茶なトレードに走ってしまう人に待っているのは退場の2文字です。分割売買だと爆発力はありませんが、安定して資産をコツコツと積み上げられます。期待値プラスのトレードさえできていれば、分割売買を使えばそもそも大きく負けることもありません。
分割売買のデメリット
分割売買にはいくつかデメリットもあります。
1単元だとできない
当然ですが1単元(100株)だと分割売買はできません。分割売買をするなら最低でも2単元以上でポジションを作ってください。3分割が理想なので、ポジションは3単元以上で作ることを推奨しています。
頭と尻尾は放棄する
何度も言っているように分割での売買なので、頭と尻尾を丸々取りに行くことはできません。尻尾を狙う前にポジションのほとんどは利食いしてしまっているからです。
一撃で大きな利益を狙いに行きたい人に分割売買はおすすめできません。安定してコツコツ稼ぎたい人や専業を目指す人向けの技術です。
分割売買の具体例
実際に日足チャートを見て分割売買をやってみます。3種類のパターンを紹介しているので、戦略の広がり方を実感してみてください。
- 一度のトレード資金は約200万円
- 3~4回での分割売買を行う
この2つを条件に具体例を紹介します。
そこそこ上手くいったパターン
まずはそこそこ上手くいったパターンから。株の購入時については分割売買の解説とは関係のない部分ですが、自分が買いたいと思えるポイントを狙っています。また、具体例として紹介しやすい銘柄を適当に選んでいるだけなので、銘柄に何かしらの思惑などはありません。
- チャートが上抜けたタイミングの3,300円で600株購入しました。チャートから判断して損切りは3,100円としたいので、利食いも200円毎とします。
- 3,500円で200株利食いして+40,000円。
- 3,700円で200株利食いして+80,000円。
- その後3,890円を付けた後に200円下落したので、3,690円で100株利食い +39,000円。
- 残り100株は200円のトレイリングストップで利益を伸ばします。高値4,260円を付けた後に200円下落したので、4,060円で利食いして+76,000円。
トータル利益は+235,000円となりました。購入後も上昇トレンドが続いたことで上手くいったパターンです。分割売買は最初に200円毎と決めていても、株価は想定通りには動いてくれません。値動きによって柔軟に対応できるのが分割売買の強みです。
利食いと損切り両方パターン
続いては利食いも損切も両方あるパターンです。分割売買をしなければ上手くいったりいかなかったりと、人によって儲かるかどうか分かれる値動きです。
- 調整が終わって買いが入りそうなので5,850円で400株購入しました。損切りは5,650円としたいので、200円毎の分割売買を意識していきます。
- 6,050円を付けたので200株利食いして+40,000円
- 上昇が続かず下落したので、直近高値から200円下がった5,930円で100株利食い +8,000円
- さらに下落したので5,750円で残り100株を損切りして-10,000円
トータル利益は+38,000円でした。分割売買をしないと人によっては損切りで終わる人もいそうな値動きです。また、本来なら5,650円で残り100株を損切りしますが、チャートの形や雰囲気的に上がりそうに感じなかったので早めの5,750円で損切りしています。
全部損切りパターン
最後はすべて損切りになるパターンです。すべて損切りになる場合でも分割売買を活用することで損失を小さくできます。
- レンジブレイクしたので5,800円で400株購入しました。損切りは5,500円とするので、300円毎の分割売買をしていきます。
- 6,000円近くまで上昇しましたが跳ね返されて買値を下回ったので、5,700円で200株損切り -20,000円
- 損切り価格まで後半分となったので5,650円で100株損切りして-15,000円
- 損切り価格に到達したので5,500円で100株損切りして-30,000円
トータル損失は-65,000円となりました。分割売買をしていない場合、300円×400株で120,000円の損失となります。分割売買を活用すれば損失額を小さくすることができます。
自分だけの分割売買を見つける
以上、3パターンに分けて分割売買を使った売買例を紹介しました。分割売買はある程度機械的にやっていくこともできますが、値動きを見ながら柔軟に対応していくことで収支は驚くほど変わっていきます。
特に決まったやり方はありませんので、売買例を参考にしてご自身なりの分割売買を実践してみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。これまで一括でしかポジションを処分してこなかった人には驚く内容だったんじゃないでしょうか。分割売買を覚えれば損切り額が小さくなりますし、利益額も安定します。
とくに専業を目指すならば覚えておきたい技術です。これまで一括でポジションを処分してうまくいかなかった人はぜひ実践してみてください。
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