株式投資を始める多くの人は短期間で自分の資産を数倍・数十倍にし、いずれは億トレや専業トレーダーになることを夢見て投資に手を出します。しかし短期投資では9割近くの人が負けるので、億トレや専業トレーダーを目指すほとんどの人がその夢を達成できず退場してしまいます。
こちらの記事では兼業投資家の強みを活かし、兼業投資家だからこそできる必勝投資手法を紹介していきます。紹介する手法は短期間で稼ぐことはできませんが時間を味方につけることで長い目線で着実に資産を積み上げることができる投資手法です。
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結論:兼業投資家は株主優待・配当金投資が必勝投資手法
結論として兼業投資家は株主優待と配当金を狙った長期投資をやっていくべきです。株主優待や配当金は銘柄によっては年間4%くらいの利回りを得られるので、安定して毎年投資金額の4%くらいの利益は得られます。
もちろん短期的には株価が値下がりしたり、株主優待の廃止や配当金が減額されたりといったリスクはありますが、よっぽど銘柄選別が悪くなければ10年とか20年といった長い目線で考えると高い確率でお金は着実に増えていきます。投資銘柄をしっかり選別することで株価の値下がり損や株主優待の廃止や配当金減額のリスクを下げることも可能です。
高確率で勝てるのに多くの投資家がやらない理由
株主優待・配当金投資は高確率で勝てるにもかかわらず多くの投資家はやりません。その一番の理由は冒頭でも説明したように、ほとんどの投資家は短期間で大金を稼ぐことを夢見て株式投資の世界に入ってくるからです。
そんな人たちはギャンブルのような高揚感を持って短期トレードをやっていることがほとんどなので、株主優待・配当金を狙った長期投資は退屈でしかありません。株主優待・配当金投資は単純作業をやるだけになってしまいますし、短期間で大金を稼ぐことができないので短期トレーダーの人からすると面白味を見出すことは難しいです。
株主優待・配当金投資は時間を味方にすればほぼ負けない
株主優待・配当金投資は時間を味方にすることでほとんどの確率で負けなくなります。株主優待・配当金投資では年間で平均して4%くらいの利回りを得られますが、〇〇ショックと呼ばれる暴落に巻き込まれると短期的には株価が値下がり大きな評価損になってしまうことがあります。
しかし株主優待と配当金は毎年チャリンチャリンと貰えるので、多少株価が値下がろうと長い目線で見るとほとんどの確率でプラスになります。とにかく投資では負けたくない、銀行預金よりお金が少し増えればいい、そんな人にピッタリな投資手法です。
時間を味方にすることが大切なので、若い人程有利な投資手法です。20代や30代の人にこそおすすめします。
時間はかかるが毎年確実に投資の収益は増えていく
株主優待・配当金投資をやり始めて数年は投資資金も少ないので年間利益は数万円や数十万円くらいと小さいです。しかし毎年給料の一部を投資に回していくことを継続することで、10年・20年経った時には投資資金も増え利益額も年間で数百万円を超えてくる人も出てきます。
時間はかかりますが短期投資とは違って投資資金も利益も毎年少しずつ確実に増えていくので、貯金が好きな人やコツコツ努力を継続できる人に向いている投資手法だと言えます。
短期投資は9割近くが負ける世界
冒頭で書いたように株をやる人の多くは短期投資で大金を稼ぐことを夢見て投資を始めます。自分自身も同じように専業トレーダーを夢見て株式投資を始めましたし、実際に今現在専業トレーダーとして生計を立てています。だからこそ短期投資の厳しさは人並み以上にわかっています。
自分は絶対に人に短期投資をおすすめすることはありませんし、専業トレーダーを目指したいという相談を受けても絶対に反対をします。理由はほとんどの人が稼げず退場をしてしまうからです。それでも短期投資で稼ぎたいという人は、別記事で様々な情報発信をしているので参考にしてみてください。
株主優待・配当金投資銘柄の見つけ方
ここからは株主優待・配当金投資をする上で一番大切な銘柄の選び方や買うタイミングについて解説していきます。
株主優待・配当金の総合利回り4%以上が必須条件
株主優待・配当金投資は値上がり益を狙うのではなく、株主優待と配当金を狙った投資手法です。その為株主優待と配当金をあわせた利回りが4%を超えている銘柄が必須条件です。
たとえば株価1,000円の銘柄があったとして、株主優待は100株持っていれば2,000円程度の自社商品が貰えて配当金は年間3,000円だった場合、100株の投資であれば
5,000円(株主優待+配当金)÷100,000円(株価1,000円×100株の投資)×100=5.0%
の総合利回りとなります。こんな形で欲しい株主優待が見つかれば配当金や株価を調べることで株主優待と配当金を合わせた総合利回りがどの程度あるのかを計算してみてください。
【銘柄公開】実際に長期投資している銘柄を紹介
自分は2020年から株主優待・配当金投資を始めていますが本格的に開始したのは2022年になってからです。2022年からは毎年500万円くらいを目標に株主優待・配当金投資のポジションを増やしていくつもりです。自分が投資している銘柄の株主優待・配当金がどうなっているのかをぜひ参考にしてみてください。
投資タイミングが下手なこともあって評価損になっている銘柄も多いですがあまり気にしていません。株主優待と配当金を毎年貰い続けることが基本なので値上がり益を狙っているわけではないからです。しかし値上がり益も狙えるような銘柄も自分としては狙っているつもりなので、評価損の銘柄も少しずつ評価益になってくれることを祈っています…。

※2022/2/25現在(数か月に一度の頻度で投資銘柄の画像は更新していきます。)
【参考書籍】楽しみながらがっちり儲かる 優待バリュー株投資入門
自分が株主優待・配当金投資をする上で一番参考にした書籍は「楽しみながらがっちり儲かる 優待バリュー株投資入門」です。元々自分は2014年4月から証券ディーラーとして働き、2015年10月からは個人でデイトレードをメインにトレードで生計を立ててきました。これまでは株で生計を立てることはできていますが、トレードなんて水商売みたいなものと思っていて、勝った負けたの世界なので今後も安定して勝てるかどうかはわかりませんし常に不安もあります。
その為いずれは株主優待や配当金などの比較的安定した収入で最低限の生活費15~20万円くらいを確保したいという目標があります。いろいろと本を読んでいく中で、みきまるさんの書籍で書かれている優待バリュー株投資が比較的低リスクかつ長期的に安定して資産形成できる手段だと思い、この本を参考に2020年から株主優待・配当金投資を始めました。
みきまるさんの別の書籍です。漫画形式で株主優待の楽しさがわかる本となっています。
ミックス係数を意識することで値上がり益も狙う
みきまるさんの書籍では「ミックス係数」といった言葉が出てきます。ミックス係数は割安銘柄を見つけるために必要でPERにPBRを掛けて算出します。たとえばPERが10倍でPBRが1.5倍でしたらミックス係数は10×1.5=15となります。みきまるさんはミックス係数が11.25未満かつ総合利回りが4%以上の銘柄を狙って株主優待・配当金投資をされるとのことです。
ミックス係数が11.25未満の銘柄はいわゆる「割安銘柄」となるので、毎年4%の利回りを安定して得つつも値上がり益まで狙うといった手法になります。毎年4%の利益を得ていたとしても割高銘柄を購入してしまうと結局株価が大きく値下がってしまうので、株主優待や配当金での儲けが株価の値下がりで相殺されてしまいます。
10年くらいのチャートを見て安値圏かどうか
ミックス係数に関しては毎年の業績で変動があるので、自分は多少意識する程度で絶対的なルールにしているわけではありません。もう一つ意識していることは10年間くらいのチャートを見ることです。10年くらいのチャートを見て最安値圏で推移しているのであれば、買い時だと考えています。
ただし業績があまりに悪くなっている場合はさらに株価が値下がる可能性もありますし、配当金がなくなる可能性もあるので注意が必要です。ポイントとしては業績がそこまで悪くなっていないor業績が良くなっているにも関わらず、10年くらいのチャートを見て安値圏かどうか?です。
ベネッセの10年チャートを例に
実際に2022年に自分が株主優待・配当金投資をした銘柄を一つ具体的に紹介します。

画像はベネッセの10年チャートと業績・株主優待・配当金です(2022/2/27現在)。10年チャートを見るとベネッセは現在最安値圏だとわかります。業績の売上を見るとこの4~5年くらいはヨコヨコで推移しています。利益額は変動幅が大きいですね。株主優待は年間2回貰えて1回あたりは約2,500円の内容で、配当金は年間で5,000円となっています。
総合利回りとしてベネッセは、
10,000円(株主優待+配当金)÷232,700円(株価2,327円×100株)×100=4.2%
となっています(2022/2/27現在)。ミックス係数も大切ではありますが、業績がたいして悪くなっていないにもかかわらず株価が最安値圏の場合、値下がりリスクが低いので株主優待・配当金狙いで長期投資を検討します。
株主優待は廃止されなさそうか
総合利回りが高くても株主優待が廃止されそうな銘柄は注意が必要です。自社商品や自社の割引き券が株主優待となっている場合は滅多に廃止されることはありませんが、クオカードのように自社の商品とはなんら関係のない商品を株主優待にしている場合は株主優待が廃止されるリスクを知っておいてください。
ちなみに総合利回りが高い商品を探していると必ずクオカードを株主優待にしている銘柄が複数見つかります。何銘柄か投資するのは良いと思いますが、株主優待廃止の悪材料が出たときに株価が値下がり損切りするリスクを考えると少しリスクの高い銘柄だと思います。
個人的に株主優待が廃止されにくい銘柄の筆頭は長期投資をしないと株主優待が貰えない銘柄です。理由としては優待クロスで株主優待を取得できないので、会社として株主優待にかかるコストを低くできるからです。
実際に株を買うタイミング
この章のまとめといった感じです。実際に株を買うタイミングです。
- ミックス係数が11.25未満かどうか
- 株主優待・配当金の利回りが4.0%を超えているか
- 株価が10年チャートを見て安値圏かどうか
- 株主優待は廃止されなさそうか
- 業績は問題なさそうか
自分としてはこれらの材料を総合的に検討した上で長期投資するかどうかを決めます。総合利回り4.0%以上は必須条件で、他の材料に関しては絶対守るわけではなくは少し曖昧にしています。5つすべて守るとなると投資銘柄は相当減ってしまうからです。
楽天証券のページが銘柄探しに便利

銘柄を探す時は楽天証券の株主優待ページが見やすくておすすめです。自分が銘柄を探す時の手順は、
- 楽天証券の株主優待ページを開く
- 実際に欲しいと思う株主優待を探す・見つける
- 総合利回りやミックス係数・業績を調べる
- 問題なさそうであれば購入、問題あればまた別の銘柄を探す(①に戻る)
といった流れです。
株主優待・配当金投資をする上で意識すべきこと
では最後に株主優待・配当金投資をする上で意識すべきことについて紹介していきます。
一度買った銘柄は”売らない”が基本
一度購入した銘柄は売らないが基本です。株主優待や配当金額が変わらない限りは一生涯持ち続けることを前提に購入をします。ただし株価が大きく値上がりし2倍・3倍となった場合は、その時点での株価で計算すると総合利回りが大きく下がることがほとんどなので、他に総合利回りが良い銘柄が見つかった場合は一度売却をして違う銘柄に投資するのも一つの戦略です。利食い場合はまた時間が経って株価が値下がれば再投資を検討してみてください。
株主優待廃止や配当金減額されたら売るべき
株主優待が廃止されたり、業績が悪くなったなどの理由で配当金が減額されたりしたら手放します。株主優待や配当金を目的で投資をしているわけなので、そのどちらかがなくなってしまい総合利回りが4%を切ってしまったら株を持っている理由はありません。
悪材料が出た場合は株価が値下がってしまい実損計上をすることになってしまうでしょうが、そこは仕方ありません。とっとと損切りしてまた別の銘柄を探して投資をした方が結果的に儲けに繋がります。
兼業投資家の強みを最大限活かす
株主優待・配当金投資は爆発的に儲けることはできず、毎年チャリンチャリンと少しずつお金を増やしていく戦略です。その為投資で得た収益を再投資していったとしても、元手が少なければたいして増えることはありません。なので本業で得た稼ぎの一部を投資に回すことで投資金額を徐々に増やしていってください。
毎年給料の10%を機械的に投資に回していくことで、10年・20年後には大きな投資資金になっているでしょうし、投資収益も大きくなるでしょう。焦らずに日々の努力を大切にしていってください。
株価が下がった時は買い増しタイミング
多くの人は株価が上昇している時に株を購入し、株価が値下がっている時に株を手放ししてしまい、「株なんて儲からない!」と言って株式投資を辞めてしまいます。株主優待・配当金投資は株価が値下がっている時こそがチャンスなので、日経平均が大きく下げている時は買い増しタイミングです。
当然ですがレバレッジは掛けずに現物投資だけでやっていってください。そもそも信用取引だと株主優待は貰えませんし金利もかかります^^;株価が上昇している時は焦って購入せず、割安な銘柄が出てくるまでじっと我慢をすることも大切です。上げ相場であっても年間に1~2回くらいは急落することはありますのでそのタイミングをグッと待ち続けてください。
まとめ
それではまとめです。
- 短期投資では9割近くの人が負ける
- 株主優待・配当金投資は時間を味方にすればほぼ負けない
- 貯金が好きな人やコツコツ努力を継続できる人に向いている投資手法
- 株主優待・配当金投資は総合利回り4%以上が必須条件
- 株価が下がった時こそ買い増しチャンス
株主優待・配当金投資は短期間でお金を増やすことはできませんが、コツコツと続けていくことで数年後・数十年後に大きな資産が築けます。株式投資で堅実に勝ちたい人や老後の資産形成をしていきたい人はぜひ実践してみてください。
僕自身のポジションは“【銘柄公開】実際に長期投資している銘柄を紹介”で銘柄増えるたびに更新していくので興味ある方はたまにチェックしてみてください。
配当金とは…会社が得た利益の一部を投資家に分配することです。株主は持ち株数に応じて利益の還元を受けられます。日本では年に1~2回程度実施する企業がほとんどで、会社の利益の状況によって配当金額が決定されて、利益があるのに支払わない企業もあれば赤字でも支払う企業は存在します。
株主優待とは…企業が株主に自社商品やサービスなどの優待品を贈る制度のことです。上場企業のうち1,500社を超える企業が優待制度を導入しています。企業側としては株主に自社商品やサービスを知ってもらうことでファンになってもらいやすくなり、株の保有期間が延びることで安定株主が増える利点があります。