ペアトレードとは?
ペアトレードとは、相関関係の高い2つの銘柄の差額の変動を利用して収益をあげる手法です。株式投資の場合は同じセクター(業種)の銘柄は比較的似た様な動きをすることが多いです。そのうちの割安な銘柄を購入し、割高な銘柄を空売りしておき、どちらの銘柄も適正価格になったところで反対売買する事で利益をあげていきます。
ペアトレードは上手く活用していけばどんな相場でも安定的な利益を生み出し続けることができます。相場の動きに左右されない手法なので日中相場が見れない兼業投資家に特におすすめしたい投資手法です。こちらの記事ではペアトレードの活用方法・メリットデメリットについてお伝えしていきます。
ペアトレードの活用方法や注意すべきポイント
ペアトレードを上手く活用する事で投資のおけるリスクを小さくすることが可能です。ペアトレードの活用方法や注意すべきポイントについてまずはお伝えをしていきます。
買いと空売りの金額は同額にする
ペアトレードは買いと空売りの鞘を抜いていく投資手法です。その為、買いと空売りの金額は必ず同額にしなければいけません。割安の銘柄はじわじわと上昇していき、割高な銘柄はじわじわと下落していく事が理想ですが、相場全体が上げ相場なのか下げ相場なのかでペアで持ってる2銘柄の動きは大きく変わってきます。
例えば上げ相場の場合は割安な銘柄は上昇しやすいでしょうが、割高な銘柄も上昇しやすくなります。下げ相場の銘柄は割安な銘柄は更に売られやすいですが、割高な銘柄は大きく下げてくれそうです。
どんな相場になったとしても比較的利益を出しやすくする為に、買いと空売りの金額は同額にしておきましょう。そうすることでペアトレードの勝率が高まります。
ポジを作る時も手仕舞いする時も同タイミングで行う
ペアトレードでは買いと空売りで組んだポジションを作る時も、手仕舞いをする時も、必ず同タイミングで行います。どちらか片方だけを先に手仕舞いして、数日後にもう片方を手仕舞いしていてばそれはもうペアトレードではありません^^;ただの1銘柄ずつの普通の株式投資です。
ポジションを作る時も手仕舞いする時も同タイミングで行うからこそ、ペアトレードの意味があります。
値動きが安定している銘柄(大型株)を選ぶ
ペアトレードでは新興株の様な値動きの激しい銘柄ではなく、東証1部の値動きが比較的安定している大型株を選びましょう。新興株だと少しの悪材料や好材料で価格が上下に激しく動くのでペアトレードには向いていません。新興株だと空売りできない銘柄も多いですし。大型株だと大きな材料が出てもそこまで激しく動くことは無いので、ペアトレードで組むには最適です。
ペアトレードの活用方法!ポジションの組み合わせ例1
ペアトレードで実際にどうやってポジションを作るのか、具体的な組み合わせ例を紹介します。
トヨタ自動車(7203)と日野自動車(7205)の相対チャートです。

言うまでもなくトヨタ自動車と日野自動車は同じ業種ですね。チャートは2018/4から1年分のチャートを表示していて、株価ではなく、2018/4時点での株価を100とした場合に今はどうなっているか?を表示したものです。
チャートを見るとわかるように、トヨタ自動車は1年前と今(2019/4)を見るとほとんど株価は変わりがありません。しかし日野自動車は大きく売られていて、20%以上下げています。
実際の株価を1年前と比較しても、トヨタ自動車はほとんど変わっていないのに日野自動車は大きく売られている事がわかります。
トヨタ自動車⇒6953円(2019/4/17時点)
日野自動車⇒1007円(2019/4/17時点)
トヨタ自動車⇒6937円(2018/4/18)
日野自動車⇒1366円(2018/4/18)
この場合ペアトレードで組むなら、トヨタ自動車を空売り、日野自動車を買いでペアトレードを組むのが良さそうです。日野自動車が割安で推移していたとすれば、じわじわと上昇してくはずです。トヨタ自動車が割高で推移していたとすれば、じわじわと下落していくはずです。もし相場が大きく動いて日経平均が上昇したり下落したりしても、ペアトレードで組んでいるのでどちらに動こうが関係ありません。
そしてある程度の利益が出てきたら、どちらのポジションも決済して、利益確定をします。この場合、片方が実損になったとしてももう片方がそれ以上の利益が出ていれば合計したらプラスで終わるので、ペアトレードは成功と言えます。ペアトレードはどちらか片方だけで考えるのではなく、2銘柄合わせて利益になるかどうか?を考えます。
ペアトレードの活用方法!ポジションの組み合わせ例2
もう一銘柄だけ例として紹介します。
大和証券(8601)と野村證券(8604)の2銘柄の相対チャートです。

先程と同じように1年前の株価を100として今はどうなっているか?を表しているチャートです。どちらの銘柄も20~30%近く下落していることがわかります。
実際の株価を1年前と比較してみます。
大和証券⇒537.3円(2019/4/18時点)
野村証券⇒439.1円(2019/4/18時点)
大和証券⇒668.7円(2018/4/18)
野村証券⇒632.7円(2018/4/18)
この場合であれば、野村證券を買って、大和証券を空売りしてペアトレードを組むのが良さそうですね。じわじわと野村証券が上昇するのを待ち、大和証券が下落するのを待ち、上手く利益になったところでどちらのポジションも解消して利益確定します。
ペアトレードは僕のスイングトレードの核になってる手法
僕はこのペアトレードを自分なりに改良してスイングトレードに取り入れています。スイングトレードの手法に関しては長くなってしまいますので別記事で詳しく紹介しています。
デイトレードの手法も公開しているので、興味がありましたら是非こちらもどうぞ。
⇒初心者がデイトレードで儲けるために学ぶべき全てのこと-手法,リスク管理,資金,証券会社,PC環境,銘柄選定,心構え-
ペアトレードのメリットについて
ではここからはペアトレードのメリットデメリットについてお伝えしていきます。まずはメリットから紹介します。
メリット1、ペアトレードは相場に左右されない
ペアトレードは日経平均やダウがどんな動きをしようと相場に左右されない事が大きなメリットです。例えば割安だと思う銘柄を購入していたとしても、日経平均が大暴落すれば、どれだけ割安な銘柄であろうと一時的に大きく下げてしまいます。
しかし、ペアトレードで買いと空売りで組んでいれば日経平均が大暴落した時、割安な銘柄は下がってしまうかもしれませんが割高な銘柄も同時に下がってくれるので、結果的に損をする可能性は低いですし、ペアで組む銘柄によっては利益に繋げられることができるでしょう。
どんな相場であろうとペアで組む銘柄さえ間違えなければ負けることは少ない。これがペアトレードの魅力です。
メリット2、リスクの低い投資手法
メリット1と少し被りますが、ペアトレードはリスクの低い投資手法です。相場の動きに左右されないということは、日経平均が大きく上昇したとしても、大きな儲けには繋がりにくいです。日経平均が大きく上昇した場合、割安な銘柄が上昇しやすいでしょうが、それと同時に空売りしている銘柄も上昇してしまうからです。日経平均が大暴落した時については先程説明しましたね。
相場がどう動こうとペアで組んでる2銘柄の動きだけで利益になるかどうかを考えるわけなので、大きな儲けには繋がりにくいです。しかし逆を言うと暴落したとしても大損をする可能性は低いので、リスクの低い投資手法とも言えます。
ペアトレードのデメリットについて
ではペアトレードのデメリットについてもお伝えしていきます。
デメリット1、股裂きリスクがある
股裂きとは、割安な銘柄を購入して割高な銘柄を空売りした場合、割安な銘柄が更に下落をし、割高な銘柄が更に上昇をしてしまうという意味です。ペアトレードの一番のリスクがこの股裂きリスクです。
このような動きをされると大きな損失に繋がる可能性もあるので、どの銘柄を買ってどの銘柄を空売りするのかが大切になってきます。ペアトレードをする場合は股裂きリスクについて気を付けましょう。
デメリット2、上昇相場でも大きな利益には繋がらない
メリット2でリスクの低い投資手法とお伝えしましたが、これは見方を変えるとデメリットとも言えますね。上げ相場であれば多くの投資家はたくさん儲けられるでしょうが、ペアトレードをしている限り大きな儲けには繋がりにくいです。その為デメリットとしても挙げさせて頂きました。
その分ペアトレードの場合は下げ相場で大損はしにくいんですけどね。
デメリット3、空売りにはコスト(貸株料)がかかる
ペアトレードは最低でも2銘柄でポジションを組むわけですので、買いと空売りと2倍のコストがどうしてもかかってしまいます。しかも空売りをする場合は貸株料もかかっているわけなので、長い期間持てば持つほど取引コストがかかりますので注意が必要です。
このコストも頭に入れた上で、利益が出そうかどうか考えなければなりません。
まとめ
以上がペアトレードの活用方法とメリットデメリットについてでした。
ペアトレードは使い方次第では物凄く安定的な収益を作り出すことができるので、これまで実践したことが無い人は一度自分なりに研究をしてみてほしい手法です。相場に左右されないので、日経平均がたとえ暴落したとしてもペアトレードをしている限りは大損しにくいでしょう。特に兼業投資家だと日中は相場の動きが見れないので、ペアトレードをしていれば精神的にも良さそうです。
僕自身はこのペアトレードを少し改良したやり方で普段スイングトレードをしています。スイングトレードの手法についてはこちらの記事で全てお伝えしていますので、ここまで読んで頂いた方は是非こちらの記事も読んでみてください。
デイトレードの手法も公開しているので、興味がありましたら是非こちらもどうぞ。
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