デイトレードを始めてまず目標にする金額を月に10万円と設定する人は多いです。その数字を毎月安定して達成させるために必要なことを紹介します。
1日5,000円をどう勝つか
月10万円を1日に置き換えると10万÷20(営業日)=5,000円です。月10万だとちょっと遠い目標になってしまうので、毎日5,000円のプラスをどうやって達成していくかを考えていきましょう。
一日5,000円であれば簡単ではありませんが、それほど遠い目標ではないですよね。実際に何日かデイトレードをした人で+5,000円を一度たりとも稼いだことがない人は少ないでしょう。連日連戦連敗…という人も、どこか1つのトレードを切り取ったら5,000円の利食いをしたことはあるんじゃないでしょうか。
その数字をどうやったら継続して毎日稼ぎ続けられるかを考えていきます。
大きくよりコツコツが簡単
一撃で大きく稼ぐよりコツコツが簡単です。昔僕が毎日ブログをチェックしていた有名なデイトレーダーにブッシーさんという方がいたのですが、とにかくその人はプラスもマイナスも豪快なトレーダーさんでした。一日に数百万勝ったかと思いきや、次の日にはそれ以上の金額を負けるなんてのは日常茶飯事です。資金たった50万円から数か月で億り人が見えてくる資産まで増やしたのに、負け続けてしまいその数か月後にはまた資金が100万円くらいに元通り…なんてことも。
2022年に退場されてからはSNSの更新も途絶えているので今どうされているかはわかりませんが、ブログを見ている分には非常に刺激的で面白かったです。でも、それが自分自身のことであればどうでしょうか。毎日自分の資産が大きく増減している状態で、冷静なトレードはできますか?ほとんどの人には難しいんじゃないかと思います。
毎月10万円が目標なら一週間(5営業日)だと+25,000円稼がなくてはなりません。一週間の損益が例えば月曜日が+5万円・火曜日が+3・水-10・木+3・金+1.5の収支も、月曜~金曜まで毎日安定して+5,000円稼ぎ続けるのも1週間で見るとどちらも同じ+25,000円の収益です。でもほとんどの人にとっては毎日+5,000円の収支を安定させる方が、平常心で相場に向き合えるはずです。冷静に相場と向き合うためにも、コツコツ稼ぎ続けることを意識してください。
1チャンスをモノにする
+5,000円の稼ぎ方として一番簡単なのは1日1回で良いので1チャンスをモノにするトレードです。個人的に簡単だと思うのは、
- 板薄銘柄の急落を拾う
- 材料銘柄の急落を拾う
の2つです。急落狙いの何が簡単かというと、大抵はすぐさま株価が戻るからです。材料があって売られた場合は株価が下がり続けることはありますが、材料なしの急落は大抵すぐさま戻るので、急落を上手く拾えたらその後にくるリバウンドでサッと利食いすれば+5,000円の達成はそれほど難しくありません。また好材料で買われている銘柄の急落も、大抵は押し目と思ってすぐさま買われることが多いです。
紹介した2つはどちらも急落を拾うことには変わりませんが、難易度は違います。板薄銘柄の場合は急落を拾いさえすれば、ロットや値幅にはよりますがほぼほぼ+5,000円くらいでしたら稼ぐことはできます。しかも板薄銘柄だと出来高が少ないので、難易度も低く比較的ゆったりとしたトレードができます。
材料銘柄の急落は少し難易度が高めです。材料が出て株価が大きく動いた銘柄の急落を狙うわけですから、ボラが大きいこともあって指値買いを入れている間は目が離せません。そして急落とは言ってもどのあたりまでの下げが急落なのかは常に変わります。また上手く急落を拾ったとしても、値動きが早いのでポジションを持ち続けていると気付いたら大きな評価損に…なんてこともあります。
こう考えると板薄銘柄の急落がいいんじゃないの?と思うかもしれませんが、板薄銘柄は出来高の少ない銘柄も多いのでそうそう急落はありません。なのでいろんな銘柄をチェックして買えたらいいなって価格に毎朝指値買いを入れておいて、一週間に1度くらいは刺さればいいなってスタンスでやっていくのがおすすめです。
ちなみに板薄銘柄の関しては僕が2015年から実践してきた板読みデイトレード手法がおすすめでして、手法はブログですべて公開しているのでぜひ一読してみてください。
板薄銘柄の急落について
以前書いた「板読みデイトレードの勝ちパターン5選」の記事より引用した画像です。ちなみにこのトレードは僕がメンバーシップ限定で公開しているデイトレ実況開設動画で実際に紹介しています。
5分足を見てわかるように、2回下髭をつけていますよね。この2回の急落で指値買いが刺さり、どちらも購入してから利食いまでたった数十秒で合計2万円を超える利益を作れています。
指値買いを入れた根拠としては、フル板を見るとわかるように厚い買い板があったからです。ドスンと売りが降ってきたとしてもそこは売り崩されないと判断し、厚い買い板のちょっと上に指値買いを入れたら狙い通り約定をしています。そして約定後は売り注文を入れたらすぐさま売り注文も約定して数十秒で2万円の利食いができています。
材料銘柄の急落について
材料銘柄は僕が紹介している板読みデイトレードでは取り上げていないので、画像や過去のトレード内容から紹介することはできません。ただ狙いとしては先ほど紹介したチャートみたいに、急落したポイントを狙って買い注文を入れ、リバウンドですぐさま利食いをします。
材料銘柄とは何かしらの材料が出たことで当日に大きく動いている銘柄です。基本的には上昇した銘柄を狙うことが多いですが、下落している銘柄を狙うこともあります。どちらも急落したタイミングで買いを入れて、注文が約定したらリバウンドですぐさま利食いをします。リバウンドがない場合はさらなる急落の可能性もあるので、早めの同値撤退・もしくは小さな損切りで逃げるのがコツです。
先ほどの板薄とは違い材料銘柄を狙うのは難易度が高く、素早い判断が求められます。まずは急落を拾えた時にリバウンドがあるかどうかの判断力が必要です。リバウンドがない場合はさらに下がってしまい損失となってしまう場合があるので、判断を間違えると大変です。
後は値動きに合わせて指値を都度変更しなければいけないので、指値買いを入れている時は目が離せません。急落…とは言っても高値から何円下がれば急落なのかは人によって判断が分かれます。チャートや板を見ながらどの価格に指値買いを入れるかはセンスや経験が問われる部分でして、こういう部分でも難易度が高いことを分かっていただけると思います。
ただ材料銘柄で上手く立ち回れるようになれば、毎朝9時から寄り付き30分のデイトレードで+5,000円どころか、人によっては数万円を安定してコツコツ稼ぎ続けられるようにもなります。難易度高い分、勝てるようになった時の恩恵も大きいです。
+500円のトレード10回もok
一撃で+5,000円を狙うより簡単で安定しやすいのが+500円を10回狙うトレードです。こちらも僕が先ほど紹介した板読みデイトレードを使えば達成の難易度はそれほど難しくありません。他にはRょーへーさんが紹介する逆張りデイトレードもおすすめです。
またまた先ほど紹介した「板読みデイトレードの勝ちパターン5選」の記事からトレード例を1つ紹介します。厚い買い板があった場合の鉄板の稼ぎ方です。下の画像を見ると770円に厚い買い板があり、売り板は779円にあります。厚い買い板があれば株価は売り崩されづらくなるので、単純に板のない772円に指値買いを入れて約定後に778円に指値売りをいれて約定したら+600円の収益となります。同じことを10回繰り返せば+6,000円となります。
もちろんそんな単純にいくわけではありませんが、この場面で僕は500株購入後に売り注文を入れて利食いができています。770円の厚い買い板がなくなればすぐさま損切りをしますが、そうならない限りは利食いを狙いにいくという、非常にシンプルでわかりやすいデイトレードです。
+500円なんて小さいプラスを目指しても仕方がないと思うかもしれませんが、積み重ねることが大きな利益となります。コツコツやっていくという戦い方もあるということをぜひ知ってください。
勝つ為に徹底すべきこと
さてここからは月10万円を安定して勝つ為に徹底すべきことを紹介します。株は心理的な要素が非常に大きく影響しているので、結局はメンタルをどれだけコントロールできるかが収益に直結すると考えています。
無駄なトレードを控える
先ほども紹介したように月10万円…1日5,000円でしたら1チャンスあれば稼げます。なのでどれだけトレードするかより、どれだけ無駄なトレードをしないかの方が圧倒的に大切です。
デイトレードで負ける人の多くはトレードしすぎです。「暇だから」「楽しいから」といった理由で勝算のない無駄なトレードばかりしているのでどんどん損失が増えてしまいます。デイトレードは時給のお仕事ではないので、努力や頑張りとトレード収益は比例しません。
極端な話1日1回のトレードでもいいわけで、その1トレードで5,000円稼げたらもうその日はトレード終わっていいんです。でもデイトレで勝てない人はせっかく目標収益を達成してもその後に無駄なトレードばかりしてその5,000円を溶かしてしまいます。とにかく徹底的に無駄なトレードを控えるだけでトレード収支は大きく向上していくことを覚えておいてください。
大きなリスクを取りすぎない
そして大きなリスクを取りすぎないことも大切。月10万円稼ぐことを目標としているのに、一日に4万とか5万円負けている人をみたことはありませんか?もしくは経験したことありませんか?
これはリスクリターンの取り方が完全に間違っています。1日で5万円も負けてしまったら、取り返すのに1日+5,000円換算だと10営業日もかかってしまいますよね。いわゆるハイリスクローリターンみたいなリスクの取り方をしている人の多くは大体数か月もすればトレード資金を失い退場している印象があります。大きな損失を取り返すためにさらにリスクを取る…と悪循環にもなりがちです。
1日+5,000円を目指しているのでしたら、多くても-5,000円の実損計上してしまえばその日は売買停止、トレードを辞めるべきです。負けが続けば冷静な判断ができなくなってしまいますし、負けが続くということは自身のやり方がおかしいので相場ノートを見返して改善点がないかを見返すべきです。
そうして改善点があれば検証してトレードルールを改良し、また相場に臨んでください。トレードの計画を立てて、実際にデイトレをし、トレード内容を引け後に見直し、そして改善点があれば次に繋げる。仕事と同じでデイトレでもこういったPDCAを回していくことがデイトレスキル向上のために大切です。
安定して勝ち続ける為に
最後にデイトレードで月に10万円を安定して勝ち続けるためのコツを紹介します。紹介することすべてを実践する必要はなくて、ご自身のトレードと相性の良さそうな内容があればトレードに取り入れてみてください。
指値で待つのがタイパ良し
デイトレードの向き合い方は人それぞれで、寄り付き30分だけを集中してがっつりやる方もいれば、他の仕事をしながら同時並行で9時から15時半とデイトレをされる方もいます。
僕自身の場合だと2023年あたりに板読みデイトレードで月10万円稼ぐことを目標としていた時は、一日の出来高が10~30万株くらいの板薄銘柄を中心としてやっていました。当時も今も他のトレード手法も使っていますし、中古家電せどりやブログ・YouTubeと副業に関しても市場が開いている時間帯に同時並行で取り組んでいます。
なので板読みデイトレードだけに時間を割くわけにはいきません。特にメインのトレード手法では毎月100万円以上は稼ぐことができているので、収入源としては小さい板読みデイトレードは時給単価を上げるためにできる限り少ない時間で一日5,000円稼ぐことを目標としていました。
なので僕は「ここで買えたらほぼ確実に儲かるでしょ」と思えるような価格にのみ指値買いを入れて、チェックは数分に1回程度にするスタイルでやっていました。こんな緩いやり方でも銘柄選別と指値買いの価格を間違えなければ、一日に5,000円くらいでしたら稼ぐことはそれほど難しくありませんでした。
また、他の仕事やトレード手法も同時並行でやっていて基本忙しいので、「暇だから」「なんとなく」といった無駄なトレードが減るのも利点です。特にポジポジ病の人にはお勧めのやり方でして、タイムパフォーマンス良く一日5,000円を稼ぎたい人は参考にしてください。
ナンピンは必要なし
一日5,000円を稼ぐことが目標であればナンピンの必要はありません。100株でコツコツ売買するだけで達成することが難しくない数字だからです。寧ろナンピンをしてロットが200株、300株となればリスクが上がり、一回のトレードで5,000円負けなんてのが簡単にあり得る数字になります。なので月10万円のプラスを目標としている場合は100株でのトレードを心がけてください。
株価1万円超えは触らない
そして値嵩株も触らない方がいいです。株価が1万円を超えるような銘柄だと評価額が1万とか2万円が簡単に動きます。1日5,000円のプラスを目標としているのに1回のトレードでそれだけの金額が動くのはリスクリターンが合っていません。
タイミングを間違えると買って数秒後には数万円の評価損となり、トレード開始10秒でその日は許容損失額をオーバーして売買停止となってしまいます。最初は株価が500~3,000円あたりの銘柄を選ぶようにしてください。
買う前に損切り価格を決定
デイトレでなかなか安定して勝てない人の多くはすべてのトレードで負けているのではなく、一回のトレードで大きな損失を計上している人が多いです。コツコツと利益を積み上げてもたった一度の損切りで積み上げた利益をすべて吹き飛ばしてしまいます。
これを防ぐためには購入前に損切り価格を決めておくしかありません。長年トレードで勝ち続けている人であれば、相場の雰囲気次第で損切り価格を変動させて損失額を小さくさせることが可能です。でもそんな上手な立ち回りを最初からするのは難しいので、最初は損切り価格を決めておいて一回あたりのトレードでの損失額を固定化させてしまいましょう。
空売りは手数料で不利
デイトレで空売りは手数料がもったいないので辞めておきましょう。例えば松井証券では新興銘柄でもプレミアム空売り手数料と呼ばれる手数料を払えば空売りできることがあります。でもこの手数料が非常に高いので、言い方は悪いですが5,000円の利益を目指す程度であれば支払わない方がいいです。
また空売りはそもそも難易度が高く、買いと同じように考えていても勝つことは難しいです。上げ相場はもちろん、下げ相場でもあっても買い目線だけで見た方が勝率は間違いなく上がるので、これまで空売りをしていた人は買い目線だけで相場を見るようにしてください。
ファンダメンタルは不要
中長期投資ではファンダメンタルは必須ですが、デイトレでは特に必要がありません。厳密にはファンダもあった方がいいんでしょうけど、費用対効果を考えると個人的には必要ありません。
デイトレは自分が購入後に株価が数円、もしくは数十円上がる銘柄を探す作業をしています。ファンダを調べることで将来的に値上がりする銘柄はわかるかもしれませんが、僕たちが必要なのは買って5分後に値上がりする銘柄です。ファンダではそういうことはわかりませんよね。
ファンダメンタルの勉強をするくらいなら、板読みやテクニカルの勉強をした方がデイトレで勝てる確率は上がるでしょう。
資金は50万円もあれば十分
月10万円、一日5,000円のプラスを目指すのに必要なトレード資金は50万円もあれば十分です。実際に僕は2015年10月から個人でデイトレードを始めましたが、2016年は+740万円もの金額を稼げています。500万円の資金で7,400万円を稼ぐことは非常に難しいですが、50万円の資金で数百万円稼ぐことはやり方次第では達成できる水準です。
また安定して勝てない人がトレード資金を多くしてデイトレをやっても、お金の減る速度が上がるだけです。月10万目標でデイトレに挑戦しても全員がその目標を達成できるわけではありません。向き不向きのある世界なので、デイトレの世界から撤退する時に少しでも負け額を少なくするためにも、資金は50万円でやるようにしましょう。
引け後の反省と予習は必須
当然ではありますが、安定して勝てるようになるまではもちろん、勝てるようになってからも引け後の反省や寄り付き前の予習作業は必須です。市場が開いていない時間にどれだけトレードに向き合うかで上手くなれるかが決まります。
トレードが楽しくて趣味としてやっているのであればデイトレだけを繰り返していたらいいと思いますが、本当に勝ちたいと思う人は必ず毎日自分のトレードを振り返り、次のトレードに活かすようにしてください。そうしない限り安定して稼ぐことは絶対にできません。
まとめ
それではまとめです。
いかがだったでしょうか。僕自身今でこそ毎月100万円以上稼げる月も増えてきていますが、デイトレードで月に10万円が稼げるようになるまでは2年近くの日がかかっています。その2年近くはずっと負け続けていました。ですが月に10万円が稼げるようになった2015年10月以降は、月間収益がマイナスとなったのは1度だけです。
負けている間はもちろん勝てるようになってからも努力は当然必要です。ですが自転車のように一度運転の仕方さえわかれば、基本はずっと乗り続けられるようになるのがデイトレードの良いところです。運転の仕方を習得するまでに何度も苦しい思いはしますが、本気でデイトレで稼ぎたい人はぜひチャレンジしてみてください。
※ちなみに2024年あたりからは板読みデイトレードはほとんどやっていません。他の手法でたくさん稼げていることもありますし副業もやらないといけないので、板読みデイトレードに割く時間が少なくなったからです。僕が紹介している板読みデイトレードは少額資金でできるのが大きなメリットですが、大きく稼ぐことは難しいといったデメリットがあります。