【逆日歩を理解する】日証金サイトの実践的な使い方

日証金サイトを使う上での基本情報

 信用取引を使う上で日本証券金融株式会社・貸借取引情報(長いので日証金と略します)のサイトは必須なのですが、はじめてサイトを見る人や信用取引を使いはじめたばかりの人にとって見方や意味を理解するのは難しいです。そこでこちらの記事では日証金サイトをはじめて見る人向けに、日証金サイトの見方や実践的な使い方について解説をしていきます。日証金サイトでは主に逆日歩の話題がテーマになるので、信用取引や逆日歩(品貸料率)についての理解を深めたい人に読んでほしいです。

 細かい用語や意味・原理原則などは日証金公式サイトで詳しく解説されているのでそちらをご覧ください。こちらの記事は個人投資家が日証金サイトをトレードに活用する方法をメインに解説をしています。こちらの記事を読むだけでトレードに活かすことはできますが、本質的な部分の解説まではしておりません。

信用取引にかかるコストを知る

 まずは信用取引にかかるコストを把握しておきましょう。現物取引では売買手数料以外のコストは一切かかりません。

  • 売買手数料…信用取引で株を売り買いする時にかかる費用。証券会社によって、たくさん取引をする人は大口優遇されて信用取引の売買手数料は無料になることもあります。
  • 金利…信用取引で購入した銘柄を持ち続けるとかかる費用。証券会社によって利率は変わり、年間で1~3%かかることが多いです。100万円のポジションを作っていて、金利が2%で半年間持っていたとすれば1万円の金利コストがかかります
  • 貸株料…信用取引で空売りした銘柄を買い戻すまでかかる費用。証券会社によって利率は変わり、年間1~3%かかることが多いです。500万円のポジションを作っていて、貸株料が1%で半年間持っていたとすれば25,000円の貸株料コストがかかるわけです。
  • 逆日歩(品貸料率)…信用取引で特定の銘柄に空売りが集まると売り方に発生する費用。買い方だとこの逆日歩は貰えます。個人投資家が日証金サイトを見る一番の理由が逆日歩(品貸料率)のチェックでしょう。逆日歩(品貸料率)は短期的に空売りが集まると大きな損失になる可能性があります。逆日歩(品貸料率)のコストを考えず安易に空売りしてしまうと、値上がりによる損失と逆日歩(品貸料率)による損失のダブルパンチで、一撃で退場してしまう人を見かけることもあります。

楽天証券では信用取引売買手数料が無料になる大口優遇の条件がとても簡単です。

  • 一日の新規建て約定金額の合計が3,000万円以上
  • 持ち越した信用建玉残高が3,000万円以上

 上記どちらかを満たせば、3ヶ月間信用取引の売買手数料が無料となります。頻繁に信用取引をされる方は、楽天証券の口座開設をして大口優遇を達成することで売買コストを大きく節約できます。

日証金サイトで知っておきたい用語

日証金サイトを見る上で知っておきたい用語を説明します。

  • 融資…日証金が証券会社に資金を貸し付けることで、融資した資金で信用取引された残高を表示しています。信用取引で買っている人がどれだけいるか?の指標になります。
  • 貸株…日証金が証券会社に株式を貸し付けることで、ここでは貸し付けた株数の残高を表示しています。信用取引で空売りしている人がどれだけいるか?の指標になります。
  • 最高料率…逆日歩(品貸料率)の最高金額です。最高料率は変動することがあり、逆日歩(品貸料率)が中々改善しない場合は短期的に2~10倍になることもあります。
  • 品貸日数…日証金が株券を貸し付けた日から返済までの日数のこと。基本的には1営業日ですが、土日を跨ぐ時は3営業日分の逆日歩(品貸料率)がかかります。逆日歩(品貸料率)は約定日ではなく受渡日で計算をし、受渡日は約定日から2営業日後となります。その為、土日を跨ぐのは水曜日持ち越した場合となります。

上画像の場合、品貸日数1日で逆日歩(品貸料率)は1株当たり5円となっています。100株持っていれば毎日500円の逆日歩(品貸料率)が発生する計算となります。

一般信用で空売りをすれば逆日歩はかからない

 これまで解説してきた信用取引は「制度信用取引」と呼ばれるものです。信用取引には「一般信用取引」と呼ばれる信用取引もあり、一般信用取引を使って空売りをすると逆日歩(品貸料率)が発生したとしても、損失にはなりません。デメリットとしては制度信用取引より一般信用取引の方が金利や貸株料が高くなる傾向にあることと、一般信用取引には「在庫」が決まっていて一般信用取引で空売りできる枚数は限られています。また、制度信用取引は返済(株を手放す)までの期間は最長6カ月間ですが、一般信用取引は無期限のことが多いです。

 制度信用取引は投資家・証券会社・日証金とのやりとりですが、一般信用取引は投資家と証券会社だけでのやりとりです。日証金とやりとりをしない為、逆日歩(品貸料率)が発生したとしたも損失にはなりません。一般信用取引は株主優待を取得する時に使われることが多いです。

日証金残速報は楽天証券で21時に確認できる

 前日持ち越した銘柄の逆日歩(品貸料率)は毎日10:30過ぎに日証金サイト発表されてが確定します。しかし、前日の21時には日証金残の速報が発表されていて、自分は楽天証券で確認をしています。逆日歩(品貸料率)まではわかりませんが、貸株と融資の残高がチェックできるので、翌日に逆日歩(品貸料率)が発生しそうかどうかの判断に使っています。

楽天証券で見られる日証金残速報です。

日証金サイトの実践的な使い方

 ここからは日証金サイトをトレードに活用していく方法を具体的に解説していきます。

空売りする銘柄の逆日歩を確認する

 まずは空売りしようと考えている銘柄の逆日歩(品貸料率)がかかっていないかを確認しましょう。逆日歩(品貸料率)が発生している場合は貸株料と込みで毎日どの程度のコストがかかるかを計算します。空売りを検討している銘柄が下がりそうであっても、このコストが高ければリスクリターンが合いません。空売りするなら1週間から長くても1か月程度の短期決戦をするべきでしょう。

空売りしている銘柄に逆日歩がついた場合の対処法

 もし空売りしている銘柄に逆日歩が発生した場合は、単純に買い戻すのが一番手っ取り早いですが、他にも選択肢はあります。空売りしている銘柄を買い戻し、同じような値動きをする銘柄の空売りをするのもひとつです。

 たとえばトヨタを空売りしている場合であれば、同業種である輸送機器の他銘柄も株価は下がる可能性が高いです。業種が同じであれば比較的株価は連動しますからね。同業種の銘柄を調べてチャートや業績から判断してより株価が下がりやすそうかつ、逆日歩(品貸料率)がかからなさそうな銘柄を空売りするのもひとつです。

 これはペアトレードのような手法をしている場合も同じです。ペアトレードでトヨタを空売りしていてトヨタに逆日歩(品貸料率)が発生した場合は、トヨタを買い戻して同業種の違う銘柄を空売りするべきです。また、時価総額の大きな銘柄を空売りしているのであれば、日経平均と連動する可能性が高いので日経平均を売るのもひとつです。トヨタやソフトバンクなどが日経平均と連動しやすい代表的な銘柄です。日経225先物をショートしたり、または日経平均と逆の動きをするETFである日経ダブルインバース(1357や1459)などを購入するのもひとつでしょう。

最高料率つきそうな銘柄を買う

 逆日歩(品貸料率)を利用して、最高料率がつきそうな銘柄を買いに行くのも手段のひとつです。最高料率がつきそうな銘柄はそもそも空売りをしている人が多いです。空売りしている人は将来必ず買い戻さねばならないので、いわば上げる燃料となります。なのでそもそも逆日歩(品貸料率)が発生している銘柄は価格が下がりにくく、持っているだけでチャリンチャリンと逆日歩(品貸料率)が貰えます。

 逆日歩(品貸料率)が発生している銘柄にもかかわらず、じわじわと空売りが増えているような銘柄があれば値下がりリスクは少ないですし、最高料率が発生する可能性もあるので、買いで狙うのもひとつです。

ETFに最高料率がつきそうな場合のトレード戦略

 ETFとは、証券取引所に上場し株価指数などに代表される指標への連動を目指す投資信託です。ETFも個別株式同様に空売りができるので、稀に最高料率が発生します。わかりやすい話でいうと、1570の日経レバがあります。これは日経平均に連動するETFで、日経平均が大きく上昇すると逆張りする人が多くなり空売りがどんどん溜まります。↓画像の1570日経レバのチャートと、2021年1月8日に発生した逆日歩最高料率180円のデータを確認してみてください。

 このようにETFでも逆日歩はもちろん、最高料率が発生することもあります。そして個別銘柄と違ってETFは何かしらの指標に連動する投資信託です。1570日経レバは日経平均に連動しますので、最高料率が発生しそうだと思えば、1570日経レバを購入し同じ金額で日経225先物をショートすれば、どちらもほとんど同じような動きをするので逆日歩分だけ儲けることが可能です。たとえ逆日歩が発生しなかったとしても取引コスト分の損失で済むので、勝率の高いトレード手法です。

過去の逆日歩データは96ut.comより引用しています。

1570日経レバは商品の特性上、長期的に見れば株価は目減りしていく傾向はあるのですが、短期的に見れば日経平均とまったくといってもいいくらい同じ動きをします。

逆に買いが溜まっている銘柄は下げの材料となる

 逆に信用買いが増えている銘柄は将来的に売られる材料となるので、株価は上がりにくいことが多いです。買いたい銘柄が見つかった場合は日証金サイトで融資と貸株残高を見て、買っている人と空売りしている人のどちらが多いのかをチェックし、買っている人が多い場合は少し需給が改善するまでは様子見をして、買い方が減ってから購入するのもひとつの手段です。

まとめ

 いかがでしたか。細かな意味や用語の説明は省いて、信用取引を使い始めたばかりの人向けに日証金サイトの具体的な使い方について解説しました。日証金サイトは信用取引を使い続ける限り必要になるサイトです。お気に入りにしておいて、いつでも見られるようにしておきましょう。

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