証券会社には大口優遇と呼ばれる制度があり、日々の取引が多い人や投資金額が多い人はさまざまな恩恵が受けられます。専業トレーダーにとって大口優遇は必須ですが、兼業投資家にとっても見逃せない優遇制度です。
楽天証券の大口優遇が総合的に優れている理由と大口優遇の条件を達成する方法について解説していきます。
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Contents
大口優遇とは
大口優遇とは先程もお伝えした通りで、一言で言えば取引が多い人や投資金額が多い人への優遇制度です。大口優遇となるには各証券会社が提示した条件を達成する必要があります。この条件の達成は楽天証券だとそれほど難易度は高くなく、ETFを使った簡単な達成方法については後程解説をします。
楽天証券大口優遇サービスの特典
楽天証券大口優遇サービスの特典を紹介します。
- 取引手数料が無料
- 信用金利が下がる
- 信用取引の上限が拡大
- 楽天ポイント還元率が2倍
以上となっています。あまりたいしたサービスじゃないなあ…なんて思っている人もいるかもしれませんが、信用金利が下がるのは個人投資家にとっては大きなメリットです。
ちなみに取引手数料が無料といった特典に関しては、楽天証券とSBI証券は2023/10/1より国内株式(現物/信用)の取引手数料を0円にすると発表をしています。その為、大口優遇でなくとも取引手数料は無料となりますが、違いとしてはSORを有効か無効かを選択できる部分です。SORについては”楽天証券を口座開設するメリット・デメリットとは”で解説しているので、興味ある方はそちらをお読みください。
条件達成すれば約3ヶ月は大口優遇が適用されます。
無視できない信用金利のコストを比較
現物取引や少額資金でしか取引をしていない人にとって信用金利のコストはあまり気になりませんが、信用口座で数千万円のポジションを作る人にとっては信用金利は気にすべきポイントです。
楽天証券の場合、
- 制度信用取引の金利は大口優遇になると年2.80%⇒2.28%
- 一般信用取引(無期限)の金利は(大口優遇になると)年2.80%⇒2.10
となります。パーセントで示されてもわかりづらいと思うので、具体例を一つ紹介します。
⇒1,000万円の資金で1年間、同じ銘柄を持ち続けた場合のコストを比較します。
大口優遇ではない人の年間コスト | 大口優遇になった場合の年間コスト | |
制度信用取引 | 280,000円(金利2.80%) | 228,000円 (優遇金利2.28%) |
一般信用取引 | 280,000円(金利2.80%) | 210,000円 (優遇金利2.10%) |
信用取引を使う人であれば、取引手数料が0円だとしても金利や貸株料のコストは無視できないくらい大きいモノだということが、こちらの表よりわかると思います。
大口優遇の達成条件
大口優遇の達成条件は5つあります。
この中で一番達成条件が簡単なのはまいにち判定の”本日の新規建約定金額の合計が3,000万円以上”の条件です。資金が少ない人でも達成できますし、達成する上での取引コストもかかりません。
簡単に達成する方法については記事の後半で解説をしています。
他社と大口優遇を比較
大口優遇は主要証券会社の多くが提供しているサービスでして、他証券会社のSBI・auカブコムと楽天証券の大口優遇を比較してみました。
- 楽天証券⇒3ヶ月
- SBI証券⇒1ヶ月
- auカブコム証券⇒1ヶ月
- 楽天証券⇒本日の新規建約定代金額の合計が3,000万円以上
- SBI証券⇒本日の新規建約定代金額の合計が3,000万円以上(楽天と一緒)
- auカブコム証券⇒前1ヶ月の新規建約定代金合計4億円以上(ゴールドプラン)or前1ヶ月の建玉残高1億円以上(シルバープラン)
⇒auカブコム証券では大口優遇に5つのレベルがあり、一番簡単なシルバープランだと1億円の建玉があれば達成できますが、そもそも1億円の資金を持っている人なんて少ないですよね。そこで2番目のレベルであるゴールドプランの達成がまだ簡単です。と言っても楽天&SBIに比べると難易度の高い条件です。
- 楽天証券は2.8%⇒2.28%
- SBI証券は2.8%⇒2.28%(楽天と一緒)
- auカブコム証券は2.98⇒2.68%(ゴールドプラン)※シルバープランだと2.98%のまま
- SBI証券では月額9,980円かかるプレミアムニュース利用料が無料に
- auカブコム証券ではkabuステーションのPremiumプランが利用できる
auカブコムは資金が多い専業トレーダーでしたら条件達成は難しくありませんが、多くの個人投資家にとっては大口優遇を達成するのは正直難しいです。SBI証券でしたら適用期間を除けば楽天証券とそれ程違いはありません。
楽天証券を選ぶ一番の理由はツールの良さ
SBIと楽天の大口優遇に差はそれ程ないのになぜ楽天証券を選ぶのか?と言うと、楽天証券のトレードツール マーケットスピード2が非常に使いやすいからです。個人的に一番使いやすいトレードツールでして、多少金利が高くなろうと自分はマーケットスピード2を使い続けると思います。
”デイトレード”のみで限定すると松井証券のトレードツール ネットストックハイスピードに軍配は上がりますが、総合的にはやはり楽天証券のマーケットスピード2がおすすめです。これまで使用したことがない人はぜひ使用してみてください。
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大口優遇を達成する方法
さてここからは大口優遇の条件を簡単に達成する方法について解説をしていきます。
1日約定代金3,000万円が簡単
先程載せた画像をもう一度載せますが、条件達成に一番簡単なのは、”本日の新規建約定金額の合計が3,000万円以上”を達成することです。
超割コースを選択しておく
条件を達成する前に楽天証券の手数料コースで超割コースを選択してください。
楽天証券公式サイトへログイン⇒右上マイメニューをクリック⇒国内株式をクリックします。
手数料コースの「確認・変更」をクリック
「コースを変更」をクリック
最後に超割コースを選択してください。
クロス取引はおすすめしない
大口優遇の条件を達成するためにクロス取引を推奨している方は結構いますが、少しグレーな取引になるので個人的にはおすすめしません。楽天証券でも不公正取引についてのページでクロス取引注文の取扱いのことを記載しています。気になる方は一読ください。
クロス取引とは、現物取引または信用取引に関わらず、同一銘柄の買いと売りのご注文を同時に行う取引のこと。
⇒不公正取引について(楽天証券のクロス取引注文の取扱いについて)
”いちにち信用”でトレードをする
売買する前に信用区分をいちにち信用(一般(一日))にチェックをいれてくださいね。そうしないと売買手数料がかかってしまうからです。
2023年10月1日以降は楽天証券で国内株式取引コストが無料になりますが、いちにち信用以外だと金利や貸株料のコストはわずかですがかかりますので、条件達成を目指す際は変わらずいちにち信用でトレードを行ってください。
ETFを使うのが簡単
大口優遇の条件を達成する際に選ぶべき銘柄はETFです。
ETFとは、特定の指数、例えば日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)等の動きに連動する運用成果をめざし、東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している投資信託です。
日興アセットマネジメントより引用
具体的な銘柄は少し紹介しづらいですが、例えば日経平均に連動する”1570日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信”とか”1579日経レバレッジダブル”あたりが有名ですしやりやすいと思いますので、この2銘柄を例に解説をしていきます。
ETFには指数に連動する銘柄と指数とは逆行する銘柄の2パターンあります。例えば1580の225インバースでは日経平均が1%上昇すると、1580は1%下がるといった動きをします。
また日経平均が1%上がった時に2%上昇するETFも存在します。そういう銘柄には”レバレッジ”という名前が入っていることが多く、1570も1579も名前にレバレッジが入っているように、指数の2倍の動きをします。
ETFについて詳しく学びたい方にはこちらの書籍がおすすめです。ETFは学んでおくことで投資の幅が結構広がるので、これまで売買したことない方はこの機会にぜひ学んでみてください。
ETFを使った達成方法
では具体的なやり方を解説します。
- 必要資金は1,000万円
- トレード銘柄は1570と1579
- 寄り付きと前引けの2回のみ売買をする
- 寄り付きに1570を1,500万円分買い、1579を1,500万円分空売り(買いと空売りはどちらでもよい)
- 前引けで作ったポジションを決済する
以上で大口優遇の適用を受けるために必要な”本日の新規建約定金額の合計が3,000万円以上”の条件は達成です。資金が1,000万円あれば一往復で済むので簡単です。
注意点としては、
- 資金が少ない人は後場寄り、引けも活用します。
- クロス取引ではなく別銘柄を売買するので、若干の損失が発生する場合があります。
- 成行注文は資金が拘束されるので、指値買いと指値売りで注文をしてください。
以上となります。
条件達成できているかの確認方法
条件が達成できているかどうかの確認方法です。
楽天証券公式サイトからマイメニューをクリック⇒国内株式をクリックします
手数料コースの「確認・変更」をクリックします
次ページの下の方に信用新規建約定金額合計の金額が記載されているので、こちらの数字が3,000万円になっていれば条件は達成できています。
ちなみに条件が達成できれば翌朝に楽天証券からメールが届きます。一度達成すると約3か月間は大口優遇のサービスが受けられます。
普通にトレードして3,000万円達成が一番
今回ETFを使って3,000万円を達成する方法を紹介しました。クロス取引はグレーとお伝えしましたが、こちらのETFを活用する方法も完全にホワイトかと言うと正直微妙なとこだと思っています。というのも、トレードの目的が儲ける為ではなく”大口優遇になる為”だからです。
ほぼ100%問題ないとは思いますが、やっぱり普通にトレードをして信用新規建約定金額合計を3,000万円達成するのが個人的には一番良いんじゃないかと思います。なので万が一こちらの記事に書かれた通りに取引をして楽天証券から電話がきても責任は負いかねます。もう一度言いますがほぼ100%問題ないとは思います。
裁定取引は一つの手法となる
問題ないと言い切れる理由は、ETFの売買では裁定取引と呼ばれる手法があるからです。
裁定取引(アービトラージ)とは、同一の価値を持つ商品の一時的な価格差(歪み)が生じた際に、割高なほうを売り、割安なほうを買い、その後、両者の価格差が縮小した時点でそれぞれの反対売買を行うことで利益を獲得しようとする取引のこと。
SMBC日興証券 初めてでもわかりやすい用語集 裁定取引/アービトラージより引用
裁定取引をする人にとっては、先程の例で言うと同タイミングで1570を買って1579を空売りするとったトレードは当たり前に行われることです。こういう理由があるので、ETFの売買で信用新規建約定金額合計3,000万円の達成はほとんど問題ないと思っています。
また、裁定取引は一つの手法となります。資金力が必要ではありますが、向いている人にとっては手堅く利益を積み上げられる手法です。実践するまでに学ぶことは多いですが、気になる方は以下の書籍を読んでみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
大口優遇は多くの個人投資家にメリットがありますし、条件の達成もそれほど難しくないことがわかっていただけたと思います。またETFと裁定取引についても簡単に説明しました。裁定取引は人を選びますが、ETFはほとんどの個人投資家にメリットがありますので、興味を持たれた方はぜひこの機会に学んでみてください。
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