2015年10月より資金たったの50万円で専業トレーダーになりましたが、まあこの9年結構苦労してきました。特に最初の4年間。簡単ではなかったこの9年間を生き残るために何をしてきたかを記事にしています。
具体的なトレード手法はほとんど記載しておらず、勝った負けたの不安定な仕事をする上でメンタルを保ちつつ少しでも収入を安定させるためにやってきたことを重点的に記載しています。
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Contents
これまでを大雑把に説明
これまでの経験を簡単に説明します。
- 2012年12月アベノミクスが始まったあたりに株式投資を始める
- 2014年4月より証券ディーラーとなり、2015年9月にクビ
- 2015年10月より専業トレーダー兼個人事業主となる
- 2016年、2017年は資金がなく板読みデイトレードがメイン
- 2018年頃から新たな手法を開発していく
- 2019年12月より優待・配当、バリュー株、成長株の長期投資を始める
- 2020年は手法と波乱相場が噛み合い年間収支が初の1,000万円超え
- 2022年よりYouTubeでの情報発信も始める
- 2023年に個人投資家となってからの累計収益が+8,000万円を超える
- 2024年に累計収益が+1億円達成、長期投資の受取配当金は150万円を超える
大雑把にこんな感じです。大体の年間収支としては、2015年+50万円、2016年+746万円、2017年+584万円、2018年+832万円、2019年+578万円、2020年+1,889万円、2021年+1,349万円、2022年+1,843万円、2023年+1,234万円といった感じです。
2020年のコロナショックをきっかけに収支が大きく変わっています。一番儲かった月は2020年3月の+446万円、月間収支がマイナスとなったのは1度だけで2019年8月の-45万円でした。
結果だけで見ると贅沢しなけりゃ株だけでもご飯が食べられるくらいの稼ぎがあるので余裕だと思えるかもしれませんが、日々必死で努力したからこその結果です。2，3日株で負けが続けば胃はキリキリ痛み、もう2度と勝てないかも？と不安になるくらいにはメンタルが弱い性格です。
トレード手法と副業
現在のトレード手法としては大きく分けると3つあり、デイトレ、短期、長期投資をバランスよくやることを意識しています。
- 板読みを使ったデイトレード(休業中)
- （デイトレ含む）短期トレード（手法は非公開）
- 優待・配当とバリュー株、成長株と3種類の長期投資
時間軸や手法を分けることで毎月安定して稼ぐことを意識しています。
副業は中古家電せどり、ブログ、YouTubeと3つやっています。株の忙しさによって力の入れ方は変わりますが、中古家電せどりは見込み利益月30万円分の仕入れ、ブログとYouTubeは合わせて月10万円の売上を目標としています。
退場を意識したのは2018年前後
仕事を死ぬ気でやったのは2017～2019年の3年間です。この3年間くらいは平日はもちろん土日も予定がなければ起きてから寝るまでずっと仕事をしていました。
- 結婚をしたことでお金のかかるイベントが増えた
- 今後を考えこれまで以上に安定的に稼ぐ必要があった
- 引っ越したことで板乗りが遅くなり板読みデイトレードで稼ぎづらくなった
- 新しいトレード手法を作るための勉強
- せどりの取り扱い商品を新品から中古家電へと変更
- ブログも独学でいろいろと実践
2017年～2019年あたりは人生で一番仕事を頑張った期間でした。大変ではありましたが仕事自体は好きなのでそれほど苦だとは思っておらず、充実していました。仕事で成功している人は誰しもがめちゃくちゃな努力をしている時期があると思っていて、自分は(成功しているわけではありませんが)それがこの時期でした。
ちなみに2020年に子供が生まれてからは仕事の時間を大きく減らしていまして、今は育児に時間が取られるので1日8時間くらいしか仕事をしたくてもできません。
専業10年目の感想としてきたこと
ここからは専業トレーダーとして10年生き残った感想としてきたことを紹介します。
人間関係を気にせずに済む
まずそれからなの？と思われるかもしれませんが、仕事のストレスの大半は人間関係が占めていますよね。僕自身は社会人経験が2年ほどありますが、自分の性格的にも仕事をする上で人間関係が非常にストレスでした。
人に甘えるのが苦手で全部自分でやってしまおうとする性格と、人に頼んだりお願いしたりするのが苦手な性格があります。これって組織で働く上では結構苦労する性格でした。
株・中古家電せどり・ブログ・YouTubeとどれも在宅かつ一人で完結できる仕事なので、人間関係を一切気にしなくて良くなったことは非常に大きなことです。今だと仕事関係ではSNSやYouTubeで人と絡むくらいです。SNSだと自分の好きな人だけをフォローできますし、嫌な人がいたらブロックすれば関係が終わりますしで、嫌々関係を続けなければならない人は一人もいません。そもそも人と一切絡まなくても収入自体は特に変わりませんし。
結婚してないと孤独死してた
人間関係を嫌々続けることはストレスですが、ずっと一人で生きていけるほどメンタルは強くありません。自分は結婚していなければ孤独死…とまでは言い過ぎですが、メンタルが絶対におかしくなっていたと断言できます。事実独身の頃に2週間人と関わらない生活をしただけで結構精神的にしんどくなっていました。
仕事のストレスの大半は人間関係と先ほど言いましたが、だからと言って人間関係をゼロにするのはやりすぎなんですよね。理想は好きな人とだけ関係を継続することです。だからこそ僕は結婚ができて本当に良かったです。
あまり友人が多い人間でもありませんし、そもそも30代になると既婚者が増えるので友人と遊ぶ機会も減ります。なので毎日家で顔を合わせる人がいるだけで結構救われるんですよね。友人がたくさんいる人や数か月まったく人と関わらなくても大丈夫な人は問題ありません。ですが独りに耐えられない人が専業になる場合、人との繋がりをどう作っていくのか？は真剣に考えておくべきです。
月100万稼げる手法に興味なし
株で勝つことは簡単ですが、勝ち続けることは非常に難しいです。しかし仕事としてやっていく以上は毎週・毎月・毎年のように安定して勝ち続ける必要があります。勝った負けたの世界でどうやって収支を安定させるかを常に考えていました。
僕は1つの手法で月100万円稼ぐことより、5つの手段で月10万円ずつ稼ぐ方が価値があると考えています。というのも、1つのトレード手法が数年後も変わらず通用することなんてあまりないんですよね。手法の改善は当然必要ですし相場によってはまったく稼げなくなることもあるからです。月100万稼ぐ手法が潰されると死活問題ですが、月10万稼ぐ手法が5つある人だと1つくらい潰されてもそう困りません。
なので僕は月10万円稼げる手段を複数作ることを常に考えています。これはトレード手法だけではなく個人事業全般に言える話です。中古家電せどり、ブログ、YouTubeとどれも真剣に力を入れたら大きく稼げる可能性を秘めていますが、1つの手段で大きく稼ぐことにはリスクがあるので、どれも程々にして月10～20万円くらい稼げたら良いやってスタンスで取り組んでいます。
例えば中古家電せどりは本気で取り組めば月100万くらいなら割と簡単に稼げる自信はあります。自分はAmazonで販売しているので、Amazonのプラットフォームに依存をしています。そのためAmazonで不祥事や大きな問題が起きたり、Amazonからとある理由で自分のアカウントがBANされたりしたら一気に稼げなくなる、といったリスクがあります。
YouTubeで月100稼ぐ自信はありませんが、こちらもGoogleのプラットフォームに依存するビジネスなのでやはりそういったリスクがあります。
0か100のリスクは取らない
短期間で億トレになる人は少なくても1回以上は0か100のリスクを取っている人が多いです。0か100のリスクとは、例えば1銘柄に信用フルレバレッジで投資をするといった形です。上手くいけば短期間で資金が2倍3倍になりますが、ほんの少し裏目ってしまうだけでトレード資金がすべて吹き飛ぶ可能性もあります。
僕自身はビビりで安定志向の性格なのでこういったリスクは一度も取ったことはありません。板読みデイトレードをメインとしていた2016～2017年は毎日2万円のプラスを目標としていましたし、今現在も1銘柄あたりに入れる資金は抑えめにして一撃死する可能性を可能な限りゼロにしようと努力しています。
どれだけチャンスだと思っても最悪のパターンを常に考え、昔も今もできるだけ大勝は狙わず毎日安定して勝ち続けることを意識しています。
勝ち続けなければならない圧
先ほども軽くお話していますが、どんな相場であれ勝ち続けなければならないプレッシャーは思っている以上にしんどいです。たった一度大勝したところで意味がまったくないんですよね。自分の資金だとそれで勝てる金額なんてせいぜい数百万円、1年間の生活費にしかなりません。
2017～2019年あたりの結婚した時期は生活費も増えましたし、今まで勝ち続けていたトレード手法が機能しづらくなったりとまあ大変でした。胃が痛くなる日は頻繁にありましたし、求人をチェックする日もありました。
子どもがいずれ生まれるとしたら一馬力で稼がないといけないし生活費もさらに増えます。どうやって今以上に安定して、今以上に稼げるか？を常に考えながら働きまくった3年間でした。
その3年間の努力がたまたま実ったから今はそこそこ楽できていますが、僕はこんなしんどい思いを人に経験させたくないので専業トレーダーをおすすめすることはありません。3年間努力した結果、努力実らず働かなければならない人の方が多いでしょうし。しかもトレードの経験は潰しが効かないので、その努力はまったくの無駄になってしまいます。
勉強と小さく実践の連続
現状維持で勝ち続けることは不可能です。昔は稼げていたけど今は稼げないトレード手法はたくさんあるからです。負けている時はもちろん、勝っている時も新しい手法を開発し続ける必要があります。
新手法を見つける上で大切なのは勉強です。当たり前ですね。ブログ・SNS・本・YouTubeなどをチェックすることで、直接的に手法は書かれていなくてもそこから新手法が閃くことは多々あります。実際に僕自身が2018年頃から使っている手法はX（旧Twitter）で毎日ポストしている人からインスピレーションを受けて見つけることができています。
もちろん新手法を閃いてもそれが武器になる可能性は低いです。体感ですが手法が10個閃いたとしてそのうち1個が武器になればいい方です。閃いたらまずは少額、株だと100株で実際にトレードして検証してみます。何度かやってみてこれはいけそうだと思えばロットを増やして、ダメだと思ったらまた新手法を探す旅に出かけます。
この繰り返しをしていくことで少しずつ手法が増えていきます。おすすめの書籍を3冊紹介しますので、読んでない人はチェックしてみてください。
トレード手法を複数作る
先ほどもお話していますが、トレード手法が1つしかなければもしその手法が使い物にならなくなると明日からの食い扶持がなくなります。その為トレード手法を複数作ることが非常に大切です。そして1つの手法でもさまざまなパターンに当てはめられるように横展開させることも重要です。
今現在トレード手法としては板読みデイトレードと短期トレード、そして長期投資と大きく分けて3つあります。板読みデイトレードはお休み中でして、短期トレードは細かく分けると手法としては数十個に分けることができます。
長期投資は、優待・配当投資、バリュー株投資、高配当投資、成長株投資と4種類の投資をしていて、年利5％を目標としています。複数の手法を併用することで、どんな相場でもどれかの手法は機能するので、比較的毎日安定して資産を増やし続けることができています。
2016、2017年は資金がなかったこともあり板読みデイトレードしかやっていませんでしたが、手法と地合いが噛み合ったこともあり1つの手法でもそこそこ稼ぐことができています。
年々生活は楽になっていく
専業1年目と10年目を比べると、支出は約2倍に増えていますが生活自体は非常に楽になっています。というのも当時と比べて、
- 収入が数倍になっている
- 資産が増えたことで選択肢が増えている
- 仕事が安定している
と3つの理由があるからです。長期投資に回せる資金が増えたことで、配当金として年間150万円くらい安定収入があります。中古家電せどりは毎月見込み利益30万円の仕入れを目標に、ブログとYouTubeは合わせて月10万円の売上を目標としています。この目標達成はどちらもそれほど難しくはありません。
これらを合算するだけでサラリーマンの平均年収は超えています。なので最悪短期トレードで稼げなくなったとしても、配当と個人事業だけでも生活するには困らない収入が作れるようになっています。
専業1年目の頃は資金50万スタートだったので取れる選択肢が非常に限られていましたし、デイトレで稼げない=資金ショートといった構図になっていました。
2015年10月の専業1年目からデイトレ・短期トレードだけで生活費以上の金額を稼げているので専業を名乗っています。
好きな時に好きなだけ金が使える
2020年から年間収支が1,000万円を超えたことで資金に余裕ができました。それまでは仕事が安定していなかったこともあり節制を意識していましたが、収入が増えたことで趣味にお金を惜しまないことを決めました。
といっても自分の趣味なんて本・ゲーム・服・アウトドア・旅行くらいなもので、お金がかかる趣味はないのでかわいいものです。漫画は古いモノだと紙で買った方がコスパ良いのはわかっていますが、すべて電子書籍で買うようになりました。電子だと片手で読めるしスマホ一つで済むから持ち運びもとても楽ちんです。
2024年現在は子どもがまだ小さいこともあってアウトドアや旅行の趣味は楽しめていませんが、もう少し大きくなれば登山やキャンプ、国内・海外旅行と楽しんでいくつもりです。
副業があるから生き残れた
株の収入はチャートと同じように波があります。どれだけ安定させようと努力しても当然悪い時はあります。そういう時に副収入があるかどうかでメンタル状態は大きく変わります。
例えば株でまったく儲からない日は中古家電せどりで見込み利益4万円達成するまで仕入れをするとか、ブログやYouTube動画を完成させるとか。本業の株が上手くいかなくても、副業をいつも以上に頑張ることでメンタルが保てますし、収入の補填ができます。
もし収入源が株式投資のみであれば、マイナス収支だった日は1日何も仕事をしていないどころか赤字になるので、仕事という目線で見た場合は無駄な1日となります。これが、2日・3日と続けば悪循環となり、何とかして稼がないとといったプレッシャーにも襲われてしまいます。
専業トレーダーに憧れる人は多いですが、何か1つでもいいので株以外の収入源を必ず作りましょう。副収入があることでメンタルが保てるのはもちろん、トレードが上手くいかず転職するとなった時も副業に関連する仕事であれば転職はしやすくなります。ちなみにトレードは潰しがまったく効かない仕事なので転職活動の際に職歴と言った形で使うことは難しいです。
まとめ
いかがだったでしょうか。専業トレーダーとして仕事をしてきた9年間を思い出しながら記事を書きました。副業もやっているし専業じゃないのでは？なんて思われるかもしれませんが、株だけでご飯を食べることはできているので専業と名乗っています。
専業に憧れる人は非常に多いですが、僕は相談を受けたら必ず反対しています。というのもほとんどの人が途中で退場しますし、株は潰しが効かないので再就職が大変だからです。やるにしても、挑戦する期間を決めて空いた時間に副業もしくはアルバイトで良いので仕事をしましょう。デイトレードで毎日のように負け続け、相場が開いていない時間帯を常に1人で過ごしていたら多くの人はメンタルがおかしくなるからです。
僕自身はもう再就職が厳しい年齢になりました。20代であれば未経験でも若いといった理由で就職は可能ですが、30代中ごろになってくると未経験採用は少ないです。なので専業トレーダー兼個人事業主といった形で、今後も相場の世界で生き残っていけるよう努力していきます。
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