株式投資を始めた人が誰もが一度は検索する「株 必勝法」というワード。ネット検索をすると「株の必勝法」を紹介している人はたくさん存在します。
「〇〇の株を買えば必ず儲かります…〇〇を知りたければ××円支払ってください。」
「この手法を使えば必ず儲かります…手法は××円で販売しています。」
「このシステムを使えば必ず儲かります…システムは××円で販売しています。」
「株 必勝法」と検索をかけたことがある人は、銘柄や商材・システムの販売をしている人を一度は見たことがあると思います。ネットで見かける必勝法は高額で販売されていることがほとんど。しかし、実際に購入経験のある人はわかると思いますが、お金を支払って得た銘柄や手法を使ったからといって必ず勝てるようにはなりません。逆に得た情報を活用したことで損をした人も大勢いるはずです。そもそも”必ず勝てる方法(必勝法)”なら人に紹介せず独り占めした方がトレードで儲けられるはず。
いわゆる投資における情報商材は投資初心者や情報弱者の多くが一度は騙されてしまいます。中には有益な情報も一部あることは事実ですが、99%近くは詐欺に近いモノだと個人的には思っています。実は自分自身も過去に20万近くの商材を購入したことがあるので、購入したくなる人の気持ちはとてもわかります。
- 株には必勝法があるのかどうか
- 過去に購入した20万円の商材について
- 株で勝ち続けている人と勝てない人の違い
- 株で勝ち続ける為に必要なこと
株で勝つために日々努力しているのにもかかわらず中々結果が出ない…そんな人はぜひこちらの記事を最後まで読んでみてください。
【結論】株に必勝法はあるのか?
株に必勝法はありますか?
株に必勝法はないですが、安定して勝ち続けている人はいます。すべてのトレードで勝つことは不可能ですが、買ったり負けたりを繰り返しながらトータルの損益でみると勝ち続けている(プラスを残している)人は一定数います。
株で100回中100回なんて勝てるはずがないんですよね。でも、100回中60回くらいなら勝てる手法は存在します。100回中40回損切りをすることになりますが、損切り額と利食い額が同じであれば勝率が6割なので必ずプラスが積み上がっていきます。株式投資で目指すのは全勝ではなく、トータルでプラスを残すこと。
たとえば自分の手法のひとつに板読みデイトレードがありますが、2016年・2017年と日々の損益で見ると勝率(プラスの日)は9割を超えていて、2016年の年間損益は+7,464,114円、2017年の年間損益は+5,847,709円でした。一つひとつのデイトレード勝率だと6割前後ではありましたが、年間通して負けた日は片手で数える程でしたし、年間損益でみてもプラスを残すことができています。
プロ・専業・初心者 入ってくる情報は皆同じ
投資をしていない人や投資初心者の人からよく、「プロや専業トレーダーは自分たちが知らない特別な情報を握っているんでしょ?」という質問をいただきます。これ、本当に大間違いでそんな情報はまったくありません。そもそもインサイダー取引ですし、そんな情報があったとしても1回2回は勝てますが、継続して勝つことはできません。投資初心者であろうとプロや専業トレーダーであろうと、得られる情報は同じ。その情報の使い方や捉え方が違うからこそ、投資の結果も変わってきます。
たとえば四季報を読んで勝てる人もいれば勝てない人もいますし、億トレーダーにトレード手法を教えてもらったとしても勝てない人もいるでしょう。株は手法さえあれば勝てると思っている人もいますが、手法だけで勝てるのであれば億トレに教えてもらえば皆億万長者です。でも決してそうはなりません。比べていいかはわかりませんが、囲碁や将棋などと同じで、教えて貰うだけではなく自分自身が勉強して実践で試して経験値を積んでいくことで、株で勝てる実力がついていきます。
ちなみに自分は新聞も読んでいませんしニュースもほとんど見ていません。Twitterで流れてくる情報を見ている程度なので、情報量でいうと投資家の中では物凄く少ない方だと思います。デイトレードであればチャートと板の動きさえあれば売買はできますし、自分は裁定取引もしているのですが、情報なんかより日々のボラティリティーがとても重要です。
株式投資で勝率99%は誰でも簡単に達成できる
株式投資で勝率99%までは誰でも簡単に達成できます。どうするかというと、ナンピンを活用すればいいだけです。たとえば100円で購入した銘柄が値下がって90円になったらそこでナンピンをすれば購入単価は95円になるので、株価がリバって95円以上をつけたら最悪でも同値で撤退可能です。100円、90円、80円とナンピンをしたら購入単価は90円となるので、株価がリバって90円以上を付けたら最悪でも同値で撤退が可能です。このように、ナンピンをうまく使うことで投資初心者であろうと勝率99%は誰でも簡単に達成できます。
99%を狙うと1%を引いた時にすべての資金を失い退場する
ただし無限ナンピンは株価が下げ止まらない場合に、これまで得た収益どころか投資資金すべて吹き飛ばす損失を叩き出してしまいます。無限ナンピンをし続けた銘柄の株価が1円になったら、資金は1/100になってしまいますよね(資金を100%投資している場合)。もしレバレッジをかけていたら、1/100どころかマイナスになってしまいます。
そんなことはほとんどないと思う人も多いでしょうが、自分の投資している銘柄が上場廃止になった場合にあり得ることなので、そこまで低い確率とはいえません。たとえば過去に上場していたタカタはエアバッグの破裂問題で上場廃止となりました。3,000円近くつけていた株価が3年後には18円となっています。損切りをせずに無限ナンピンをし続けていると、たった一度の損切りで資金のすべてを吹き飛ばすことがタカタのチャートを見るとわかるでしょう。
すべてのトレードで勝つことを考えると必ず負ける
伝えたいことは、すべてのトレードで勝つ必要はないこと。勝率は60%あればトータルでプラスを残すことは可能です。100%目指す必要なんてないんですよね。100%目指してしまうとタカタみたいな銘柄を買ってしまった場合に大変なことになってしまいます。株で勝ち続けたいのであれば損切りは必要経費だと思ってください。資金管理やリスク管理をうまくすることで勝率60%を目指し、トータルでプラスを残すことが可能になるでしょう。
自分が20万近くの情報商材を購入した話
自分が過去に購入した情報商材についてお話しします。先にお伝えしておくと購入したことは今でも後悔しておらず、冒頭で商材は99%詐欺という話をしましたが、自分が購入した商材は詐欺ではなかったですしとても勉強になった内容でして、今でも活きている部分はあります。
先物を売買している人だと知っている人も多い、ついてる仙人さんの相場塾に半年間だけ入会をしていました。とても単純な順張り手法をされている方ですが、その手法で安定して勝ち続けている方です。入会すると講師の売買譜・売買の分析・判断の根拠・翌日の方針が毎日送られてきます。その内容を自分なりに分析してトレードで活かしていく形なので、情報商材でよくある必ず勝てる〇〇の手法みたいなのではなく、いわゆる学習塾みたいな形で実際にトレードで勝っている人の考え方を学ぶ場所でした。
ついてる仙人さんのトレード手法は会員になったら「直伝メール」といった形で半年に渡って毎日送られてきますが、手法に関してはついてる仙人さんの書籍にも公開されているので気になる方は読んでみてください。わかりやすい順張り手法なので比較的簡単に真似することはできるでしょう。手法自体を今はもう使っていませんが、ついてる仙人さんの考え方やメンタルの部分は今も自分の相場で活きています。
情報商材の見極め方は”現在進行形で勝っているかどうか”
ちなみに情報商材が本物か詐欺かの見極め方は、商材の販売者が現在進行形で勝っているかどうかを確認してください。そこがわからない(曖昧にしている)人や、数年前に勝っているだけの人であれば、個人的には商材を買う価値がないと思います。相場は日々変わっていきますので、過去に勝っていたからといって今勝てていない人の商材を購入しても学べることは少ないでしょう。この見極めをしておくだけで騙される可能性はとても減りますので、購入を検討している商材がある方は必ず確認してみてください。
自分はすべての商材が役に立たないとは思いません。ただ、ほとんどの商材は役に立たないと思っているので、騙されない為には商材に価値があるのかどうかを見極める目は必要です。まあ、基本的には株に関することは本を読めば大抵のことが学べます。商材の購入を検討している方は、まず色々な投資本を読んでみることをおすすめします。
株で勝ち続けるために必要なこと
ここからは株で勝ち続けるために必要なことについて解説していきます。
期待値がプラスのトレードを継続し続けること
株で勝ち続けるためには、期待値がプラスのトレードを継続し続けることだと自分は考えています。1回あたりのトレードでみると負けることはもちろんありますが、期待値がプラスのトレードをしていれば長い期間でみると必ずプラスを残せます。この長い期間というのは人によって違っていて、例えばデイトレをメインにしている人であれば1日だという人もいるでしょう。
株で勝てない人はすべてのトレードで勝とうとしていたり、期待値がマイナスのトレードをしていたりすることが多いです。勝てていない人で多いのが、努力の仕方がずれていること。自分も昔そうだったのでわかるのですが、投資初心者ほど勝てる手法を探したり、上昇する銘柄を探したりすることだけに努力をしている人が多いです。
しかし、株式投資は手法や銘柄だけで勝てるほど甘くはありません。株で勝つためには「手法・メンタル・相場観」の3つが必要だと考えていて、多くの人は手法さえあれば勝てると思っていますが、手法だけで勝てるのであれば億トレから手法を教えてもらえば皆億万長者ですよね。でも、そうはなりません。なぜならそれだけでは勝てないから。
↓で紹介している3冊の本(デイトレード、賭けの考え方、生き残りのディーリング)はメンタルや期待値について学べます。デイトレードだけではなく中長期投資家にとっても大切なことがたくさん書かれていますので、読んだことない人はどれか一冊で構いませんので読んでみてください。「賭けの考え方」は株ではなくポーカーについての本ですが、一番楽しく読める人が多い内容だと思います。
同じ手法はずっと通用しないことを知る
同じトレード手法がずっと通用することはありません。Aというトレード手法で勝てるようになったとしても、相場は日々変わっていくので、変わる相場にあわせてA手法も少しずつ改良していく必要があります。
たとえば自分の板読みデイトレード手法でも、2016年~2017年は日々の勝率が9割超えでとても安定して勝っているように見えますが、相場に合わせて手法自体は少しずつ改良していましたし、そもそも日々の相場によってもエントリーの仕方や立ち回り方を変えていました。上昇相場・下落相場・レンジ相場・ショック(暴落)相場、さまざまな相場がある中で同じやり方だけで勝ち続けることはできません。
【メンタルの大切さ】ぶれない売買ができるか
少し儲かったからといって調子に乗ってロットを大きくしてトレードをしたら、儲かった分をすべて溶かしてしまった経験はありませんか?他にも、儲かったことで気を大きくして、いつもと違う売買をして損をしたことはありませんか?
これ、どちらもあるあるで、株はうまい人でも勝率は所詮6割程度なので、無駄な売買で損失を計上してしまうと簡単に勝率は5割を切ってしまいます。ロットを増やすと評価損益も大きくなりますので、普段と同じようなメンタルで売買することは難しくなります。相場に合わせて手法を改良していく柔軟さは大切ですが、相場ではぶれない売買をしていくことも同様に大切です。
【相場観】相場の転換点を雰囲気で感じ取る力を習得する
株は雰囲気。TwitterをやっているとTLによく流れてくるツイートですが、自分は全面的に同意します。相場をずっと見ていると何かいつもと違う…そんな雰囲気を感じ取れるようになってきます。もちろん外れることもありますがこういう”雰囲気”はバカにできなくて、うまい人ほどこの雰囲気を感じ取る力があります。
この雰囲気のことを相場観と呼んでいて、手法やメンタルは本やブログからいくらでも学べますが、相場観だけは日々相場を見ることでしか力をつけることはできません。株でうまくなりたい人、とくにデイトレや短期投資で勝ちたければ毎日少しでも相場の動きを見るようにしましょう。
自分の性格にあったトレード手法や時間軸を見つける
勝っている人のトレード手法を参考にすることはとても大切ですが、自分の性格にあったトレード手法や時間軸を見つけなければ勝つことは難しいです。たとえば自分の場合スイングトレードを苦手にしていて、その理由は外部要因に左右されることが多いからです。どれだけ魅力的な銘柄を購入したとしても、夜中にダウが1,000ドル下げたらほぼ確実に翌日株価は大きく下がります。できることなら毎日プラス収支でありたいという願望があるので、どうしても負ける日が出てくるスイングトレードは性格上向いていません。
デイトレードであれば勝率6割くらいをキープすると、一日の売買回数が50回~100回くらいならば高い確率で安定して毎日プラス収支を継続できます。後は性格上評価益が出るとすぐに利食いしたくなってしまい利益を大きく伸ばせません。いわゆる損大利小ですね。だから手数を増やして一回当たりの利益は数百円でいいから、それを何度も何度も積み上げることを意識しているので、一日の売買回数はデイトレードをしている人たちの中でも比較的多いです。
このように、人それぞれ性格によってトレード手法や時間軸に向き不向きがあります。自分の性格を把握してそれにあった手法や時間軸を見つけてください。その為に、さまざまな手法を勉強することは大切です。自分が過去参考になった書籍をいくつか紹介します。
裁定取引は必勝法に近い一つの手法だと思う
自分は裁定取引もやっていますが、これも必勝法に近い一つの手法だと考えています。裁定取引は理論的にポジションを作った時点で利益が出ることは確定するからです。ただ、株式投資にはさまざまな要因があるので、もちろん百発百中でうまくいくわけではないのですが…。
裁定取引は日経平均が1,000円高しようが1,000円安しようが安定して利益を計上できるので、一日たりとも損をしたくない自分の性格にあっている投資手法です。興味がある方は「日経平均トレーディング」か「日経平均トレーディング入門」のどちらかをぜひ読んでみてください。
裁定取引(アービトラージ)とは、同じ価値をもつ商品の一時的な価格差が生じた時に割高なほうを売って割安なほうを買い、その後ふたつの価格差が縮小した時点で反対売買を行って利益を得る投資手法です。
株で勝てない人の特徴
では最後に株で勝てない人の特徴について解説していきます。株で勝ちたいと思っているにもかかわらず、負ける行動をしている人はとても多いです。Twitterを見ていても本当によく見かけます。これから解説することが当てはまっていないか、自問自答してみてください。
本当に稼ごうと思ってやっていない
株なんて100人に聞いたら99人は稼ぐ為にやっていると答えるでしょうが、そう答えている人の中にも実は稼ぐためにやっていない人は数多くいます。本人は真面目にやっているのかもしれませんが、思考と行動が全然あっていないんですよね。競馬や競艇なんかのギャンブルをやっている感覚で株をやっている人がとてもよい例です。
株は趣味でやるのであれば物凄くお金のかかる趣味です。一億円あったとしても趣味でやっている人がレバかけてやると、数か月ですべて溶かすこともできるでしょう。普段株式投資でとっている行動が稼ぐためのものなのか、自分の欲を満たすだけの行動なのかは考えてみるべきです。
ちなみに競馬や競艇もギャンブルとしてやっているのか、少額で趣味として楽しんでいるのか、本当に勝つために仕事として取り組んでいるのかで結果は大きく変わると思います。
自分で決めた売買ルールを守れない
売買ルールはがちがちに作る必要はないと思っていますが、自分で決めた売買ルールを守れない人が株で勝つことは難しいです。たとえばナンピンをしないというルールを作っている人が、ナンピンをしたことで利益が出たとします。そういう人は次もまた同じような場面があればナンピンをするようになります。こういうことが続くと、いずれはナンピンをしても助からないような場面にでくわしてしまい、たった一度の負けでこれまで得た利益はもちろん投資資金のほとんどを吹き飛ばす結果になることがあります。先程「99%を狙うと1%を引いた時にすべての資金を失い退場する」で説明したタカタの例がわかりやすいです。
こういったことを防ぐためには売買ルールをがちがちに作らないことが大切です。売買ルールは利益を出すために存在するものなので、守れない売買ルールなんて必要ありません。一つのルールが守れなければ、なあなあになって他のルールも守らなくてよいと考えてしまいます。自分の売買ルールを見返してみて、守れていないのがあればなぜ守れていないかを考えてみてください。少しルールを緩くしたり変更したりすることで、売買ルールが改良されていくでしょう。
売買ルールを作りたいと考えている人は、ブログの開設をおすすめします。
勝率100%を狙っている人
「株式投資で勝率99%は誰でも簡単に達成できる」でお話した内容ですね。すべてのトレードで勝とうとする人は、たった一度の負けでこれまで得た利益はもちろん投資資金もすべて吹き飛ばす可能性があります。株では百発百中で勝つことは不可能です。しかし、100回中60回くらいなら勝てるような投資手法は存在しますので、勝率60%あたりを目指すべきです。利益額と損切り額が同じであれば、必ずプラス額は積み上がっていくでしょう。
トレードの軸が定まっていない人
トレードの軸が定まっておらず何をしたいのか、どうやって稼ぎたいのかが見えてこない人もいます。株で勝ち続けている人はトレードの軸がしっかりしているのでメリハリがあります。たとえば自分の場合だとボラの大きな日に大きく勝てることが多いので、ボラ相場の時は気合を入れてロットも大きくして攻めることが多いです。逆にレンジ相場で動きのない時は儲けることが難しいので、無駄なリスクはあまり取らないように気を付けています。
トレードの軸が定まっていない人は常に100%でやろうとするので、あまりリスクを取らない方がいい局面で大きくリスクを取りにいって大損していることが多いです。しかし、トレードの軸というのは簡単に定まるものではありません。自分は軸が定まるまでに1年半近くかかっています。さまざまな投資本を読んだり日々相場を見たりすることで少しずつ養われるものなので、日々の勉強を大切にしてください。
まとめ
それではまとめです。
- 株に必勝法はないが勝ち続けている人はいる
- 株で勝率99%は誰でも簡単に達成できるが1%を引いたら退場する
- 株で勝ち続ける為には期待値がプラスのトレードを継続し続けることが大切
- 手法・メンタル・相場観の3つが株で勝つためには必要
- 自分にあったトレード手法や時間軸を見つけなければならない
株式投資で勝ち続けることは簡単ではありませんが、株に必勝法はないことを知るだけで大きな前進だと個人的には思います。百発百中を目指すのではなく勝率60%を目指して頑張ってみてください。
株に必勝法はありますか?